Japan Association for Medical Informatics

[2-G-5-05] JLAC11マッピング支援のための単位標準化の検証

*Kenji Uchiyamada1, Hitomi Kawai1, Dongchon Kang1, Mihoko Okada2 (1. 一般社団法人 医療データ活用基盤整備機構 JLACセンター, 2. 一般社団法人 医療データ活用基盤整備機構)

JLAC11, Result unit, EHR, PHR, Clinical Practice Guidelines

【目的】臨床検査の標準コードはJLACであり、5要素から成る17桁のコードである。従来JLAC10が主に利用されていたがデータの二次利用のためには様々な問題が指摘されており、今後のJLAC11実用化に大きな期待が寄せられている。JLAC11には新たに「結果単位コード」が設けられた。結果単位の換算による医療事故は単一施設における一次利用でも報告されており、複数施設による二次利用では同様の懸念がある。そこで今回、PHR、EHR問わずにJLAC11で利用出来る標準的な結果単位を検証した。 【方法】診療ガイドライン等の採用単位とPHR・EHRにおける単位の利用状況※PHR:➀薬局等での検体測定室項目➁日本赤十字社での献血血液検査サービス項目③健診判定区分表2024年度版※EHR:④共用基準範囲⑤3社の臨床検査センター
【結果】ガイドライン等記載単位との一致状況は【生化学検査項目】3項目、【血液検査項目】3項目以外は全て100%であった。 【考察・結論】不一致の【生化学検査項目】は電解質であり、単位が異なっても値の換算は不要であるためと考えられた。【血液検査項目】は血球数であり、当該項目の単位標準化への課題については、日本検査血液学会の報告と同様であり、関係学会の取り組みが期待された。診療ガイドライン等に明記される単位を参照することにより、PHR・EHRで利用さえ得る標準的な単位が示唆された。診療ガイドライン等に明記される単位を利用することにより、根拠を持ったJLAC11結果単位コードをデフォルト設定することで健診機関や医療機関の規模に関わらず広く利用しやすくなることが示唆された。また、単一施設内の一次利用時でも発生していた単位換算による医療事故(インシデント)を複数施設による二次利用でも防止することが期待される。 【倫理的配慮】診療データの分析を行う等の研究ではなく倫理的課題は生じていないが、常に倫理的配慮を踏まえて研究を進めている。