Japan Association for Medical Informatics

[2-G-5-06] 心臓カテーテル室におけるGS1標準バーコードを用いた医療材料管理の取組み

*Shozo Konishi1, Kento Sugimoto1, Shoya Wada1, Katsuki Okada1, Toshihiro Takeda1 (1. 大阪大学大学院医学系研究科)

GS1, RFID, Medical Supply

【背景】心臓カテーテル室では症例に応じて多様な医療材料が使用され、院内在庫品に加えて預託品や納入業者による持込み材料が使用されることもめずらしくない。院内在庫品とは異なり、当院では預託品や持ち込み材料のコスト請求や物流管理において商品シール等を台紙に貼付した紙運用や都度職員がマスタ検索を行うなど、運用における人手作業の割合が大きかった。【目的】心臓カテーテル室においてGS1標準バーコードを用いた医療材料管理の仕組みを開発し実装すること。【方法】在庫品や預託品の包装に印字されているGS1-128バーコードを読込み、JANコードで材料マスタと照合して商品を特定したのちRFIDタグを発行し、材料に貼付した。RFIDタグの読取り機を備えた回収箱(以下、M-Catch)を開発し、カテーテル室内に配置した。M-Catchは病院情報システムから放射線オーダー情報や患者情報を取込み、カテ室スタッフが術中に使用された医療材料の包装をM-Catchに投函することで患者に材料の使用実績が登録されるようにした。持込み材料にはRFIDタグが貼付されていないため、ハンディスキャナで包装に印字されたGS1バーコードを読込むことで同様に使用実績を登録した。登録データは医事コスト請求や材料の発注業務等に活用した。【結果・考察】導入後2か月を経過し、商品シール等を用いた紙運用は大幅に減少した。またGS1標準バーコードを用いることにより、使用した医療材料のロット番号や有効期限も患者に連携することが可能となり、トレーサビリティの向上につながるものと考えられた。従前の運用フローに比してRFIDタグを発行・貼付する作業が新たに発生することになったが、医事コスト請求業務や預託品の在庫管理の効率化によるメリットの方が大きいと考えられた。【倫理的配慮】本取組みは業務改善の範疇としての開発・実装であり、患者情報を用いた解析は行っていない。