Japan Association for Medical Informatics

[2-H-1] 電子処方箋における処方情報・調剤情報を考える

*Kazuyuki Ikeda1, Masahiko Kimura2, Atsushi Takada3, Fumito Tsuchiya4, Satoshi Kusano5, Kiwamu Tabata6, Masashi Kojo7, Sadahiko Yabu8 (1. Nara Medical University Hospital, 2. Japanese Association of Healthcare Information System Industry, 3. Kyushu Univ. Hosp. Medical Information Center, 4. Former International University of Health and Welfare, 5. Fujitsu Japan Limited, 6. NEC Corporation, 7. IBM Japan, Ltd, 8. Software Service,Inc)

Prescription Information, Dispensing Information, E-prescriptions

本邦ではデジタルヘルスが切り開く新未来に向け、オンライン資格確認や全国医療情報プラットホームなど様々な事業が進められている。特に薬剤関連では、電子処方箋管理サービスが全国に展開され、令和6年度診療報酬改定でもその普及を推し進める項目が打ち出されている。さらに、令和5年の開始当初は約200施設であった電子処方箋対応の医療機関も、2024年6月末時点では25,000施設を超えており急速に広がっている。一方、電子処方箋管理サービス自体も、重複投薬等チェックに関する口頭同意機能やリフィル機能、HPKIセカンド認証活用機能などの機能バージョンアップを重ねており、今後も院内処方箋への対応などが予定されている。
 電子処方箋では、医療機関で作成された処方情報を電子処方箋管理サービスに送信、薬局ではその処方情報をもとに調剤を行い、調剤結果を電子処方箋管理サービスへ送信する。この際、処方箋に疑わしい内容があれば薬剤師は疑義照会を行ったうえで調剤を実施する。電子処方箋で発生した情報を電子カルテ等ではどのように管理・利用されているであろうか。また調剤情報はどのように活用できるであろうか。
 今回は、急速に広がる電子処方箋により、各医療機関や電子処方箋管理サービスで保管される「処方情報」や調剤の結果作成される「調剤情報」について、各施設でどのように活用し保管すべきか、(疑義照会による修正を含め)情報の正確性をどう担保するかなどについて有識者とともに電子カルテシステムの開発ベンダからの情報提供をもとに議論したい。また、各医療機関以外の薬剤に関する情報をどのように活用できるかについても検討し、これらを通じて電子処方箋をはじめ全国の医療機関で薬剤情報を適切に取り扱うことができる社会を構築するため必要なものを探りたい。