Japan Association for Medical Informatics

[2-H-1-04] 電子処方箋由来の処方情報・調剤情報の活用方法に関する検討

*Kiwamu Tabata1, Hiroyuki Takase1, Masahiro Komai1, Koji Takashima1 (1. NEC Corporation)

2023年1月に電子処方箋管理サービスが運用開始となり、医療機関では処方・調剤情報を電子的に共有・管理することが可能となった。電子処方箋対応施設とともに増加する、処方・調剤情報の有効な活用方法について考えたい。まず、電子処方箋管理サービスの調剤結果参照機能により、医師は自身の処方に対する調剤結果や、薬剤師からの伝達事項、疑義照会等の確認が可能となった。一般名で処方した場合に実際に調剤した薬剤(銘柄名)や、薬剤師からのコメントなどの情報を次回の診療にて活用することができる。また、電子処方箋管理サービス由来の処方・調剤情報がオンライン資格確認等システムに即時反映されるため、レセプト由来(過去一ヶ月から)の薬剤情報だけでなく、直近の他院で登録された処方情報や調剤情報も閲覧可能となった。これらの機能を活用することで、医療の質の向上が期待できる。前述の例は医師が診察時に情報を活用するケースだが、利用する場面を少し広げて考えてみると、オンライン資格確認等システムから取得した電子処方箋管理サービス由来の処方・調剤情報を、持参薬の確認に利用することも可能と考えている。弊社では、調剤結果等の情報は処方オーダの履歴から調剤結果専用ビューアを起動して参照可能としている。また、オンライン資格確認等システムから取得した処方・調剤情報は、診療情報や特定健診情報も表示できる専用ビューアでの参照や、診察記事への保存・参照を可能としている。しかし、現時点ではPDF形式で取得した情報を参照する限定的な利用方法となっているため、電子処方箋のさらなる普及には、電子処方箋管理サービス由来の情報を活用した病院のメリットをさらに訴えることが重要である。本共同企画にて、電子処方箋管理サービスの有効な活用方法について議論し、医療DXの普及に貢献していきたいと考えている。