Japan Association for Medical Informatics

[2-I-3-02] 食事トレイ自動撮影装置を用いたAI食事摂取量測定のユーザビリティ評価

*Masato Tagi1, Yoshiko Suzuki2, Xiao Shan2, Ruiqing Liu3, Yasuhiro Hamada1, Kazumi Ozaki1, Hiroshi Sakaue1,2, Masanori Kubota4, Sosuke Amano4, Takeshi Konishi1, Jun Hirose1 (1. 徳島大学 大学院医歯薬学研究部, 2. 徳島大学病院, 3. 徳島大学 大学院医学研究科, 4. foo.log株式会社)

food intake, liquid food, artificial intelligence, system usability scale, nutrition management

栄養不良は不十分な食事や栄養素などが原因の一つで,食事摂取量は栄養不良を評価する主要な基準である.臨床現場の食事摂取量評価には,主に目測法が用いられているが正確性と煩雑な点に課題がある.正確性に関しては,これまでに我々は病院流動食の食後の写真から残量を推定するAIモデルを開発し,臨床現場で活用できる可能性を示した.本研究では簡便な測定を目的に,センサーカメラを用いて食後の料理撮影と写真アップロードを自動化できる食事トレイ自動撮影装置を開発し,測定者のユーザビリティを評価した.2024年2月から2024年3月の期間で,徳島大学病院の病棟看護スタッフ18名が,入院患者に提供された流動食を評価対象とし,食事トレイ自動撮影装置で144食,タブレット端末による撮影で118食を測定した.それぞれのシステムに対する測定者の主観的満足度をSystem Usability Scale(SUS)を用いて評価した.食事トレイ自動撮影装置のSUSスコア(100点満点)の平均値は63.2で,タブレット端末の56.0と比較して有意に高かった(p = 0.037).7段階の形容的評価では,食事トレイ自動撮影装置のSUSスコアは,3段階目のGoodと4段階目のOKの中間に該当し,やや高い満足度と評価された.SUSの個別評価では,このシステムにある機能は十分に統一感があると感じたという質問項目で両システムの平均スコアの差が最も小さかった.原因として,食事トレイ自動撮影装置では測定結果を確認できず、タブレット端末等の機器を利用する必要があったことが考えられる.しかし,すべての質問項目で食事トレイ自動撮影装置がタブレット端末よりもSUSスコアが高いことから,食事トレイ自動撮影装置で測定結果を確認できる等のシステム改善をすることで,看護スタッフの食事摂取量測定に対するユーザビリティの更なる向上が期待できる.