[2-I-3-04] 超音波動画を用いたAIによる胎児不整脈診断支援技術の開発
Fetal Arrhythmia, Image Segmentation, Frequency Analysis
【背景・目的】
胎児に発生した不整脈は,母胎内での適切な治療手段が存在するため,早期発見が求められる.不整脈の診断には成人や出生後であれば心電計が用いられるが,胎児の場合は母体の心電と重なることから読み取りが難しい.そのため医師は超音波診断の映像から,目視で心臓弁や心房,心室の動きを観察して診断を行っている.しかし,この診断は経験の浅い医師には困難であり,診断を支援するための新たな技術が求められる.そこで本研究では,胎児の超音波診断動画から機械学習と周波数解析を用いて心臓の動きを解析し,不整脈の検出および種別の判定を行う手法を検討した.
【方法】
国立循環器病研究センターで取得された胎児超音波診断動画を基に,各フレームを画像として抽出し,抽出された画像に対して左右の心房・心室の4領域にアノテーションを行なった.これらの画像を学習用データとテスト用データに分割し,機械学習による物体検知アルゴリズムを用いて,左右の心房・心室を検出するモデルを構築した.モデルの評価には,検出結果とアノテーションによる正解例の類似度を示すダイス係数を用いた.その後,検出された各領域の面積変化を時系列データとして扱い,FFT解析を行うことで心拍数を解析した.心拍数は170 bpmを超えたら頻脈性不整脈,100 bpm未満で徐脈性不整脈、100~170 bpmで正常脈に分類する.
【結果】
超音波画像における房室検出では,テスト画像の全領域におけるダイス係数の平均値が0.8以上を示した.また,FFT解析による不整脈検出および種別判定では,一定の精度を確認した.
【結論】
不整脈の検出および種別の判定において,機械学習と周波数解析を組み合わせる手法が有効である見通しを得た.今後は検出手法の改善,不整脈の詳細な分類アルゴリズムの構築,さらに多くの症例を用いた検証が必要である.
胎児に発生した不整脈は,母胎内での適切な治療手段が存在するため,早期発見が求められる.不整脈の診断には成人や出生後であれば心電計が用いられるが,胎児の場合は母体の心電と重なることから読み取りが難しい.そのため医師は超音波診断の映像から,目視で心臓弁や心房,心室の動きを観察して診断を行っている.しかし,この診断は経験の浅い医師には困難であり,診断を支援するための新たな技術が求められる.そこで本研究では,胎児の超音波診断動画から機械学習と周波数解析を用いて心臓の動きを解析し,不整脈の検出および種別の判定を行う手法を検討した.
【方法】
国立循環器病研究センターで取得された胎児超音波診断動画を基に,各フレームを画像として抽出し,抽出された画像に対して左右の心房・心室の4領域にアノテーションを行なった.これらの画像を学習用データとテスト用データに分割し,機械学習による物体検知アルゴリズムを用いて,左右の心房・心室を検出するモデルを構築した.モデルの評価には,検出結果とアノテーションによる正解例の類似度を示すダイス係数を用いた.その後,検出された各領域の面積変化を時系列データとして扱い,FFT解析を行うことで心拍数を解析した.心拍数は170 bpmを超えたら頻脈性不整脈,100 bpm未満で徐脈性不整脈、100~170 bpmで正常脈に分類する.
【結果】
超音波画像における房室検出では,テスト画像の全領域におけるダイス係数の平均値が0.8以上を示した.また,FFT解析による不整脈検出および種別判定では,一定の精度を確認した.
【結論】
不整脈の検出および種別の判定において,機械学習と周波数解析を組み合わせる手法が有効である見通しを得た.今後は検出手法の改善,不整脈の詳細な分類アルゴリズムの構築,さらに多くの症例を用いた検証が必要である.
