Japan Association for Medical Informatics

[2-J-1-05] RRS要請予測システムの構築(その2)

*Yoshimi Goto1, Tsuyoshi Shimomura1, Ryuzo Abe2, Ryuuichi Takenaka2, Kazuyuki Fujimoto3, Kaori Shibata3, Akiko Ogata3, Toshiko Takahashi4 (1. 大分大学医学部附属病院 医療情報部, 2. 大分大学医学部附属病院 高度救命救急センター, 3. 大分大学医学部附属病院 看護部, 4. 大分大学医学部附属病院 医事課)

Hospital Infomation, information analysis, RRS, System construction

【目的】入院患者の院内急変への対応は、急変時に迅速に対応するだけでなく、急変発生前の状態変化をより早期に捉えて対処を開始し重症化を防ぐことが重要であり,Rapid Response Team(RRT)の活動が重要視されている。本研究では、RRTが急変の可能性がある患者を早期把握し治療介入ができるように、患者早期警戒スコアの一つであるNational Early Warning Score(NEWS)を用いた全入院患者の病状急変予測システムを構築することを目的とした。【方法】電子カルテシステムのDWHを用い、入院患者の看護ケア実績データから①呼吸数②脈拍数③収縮期血圧④体温⑤SpO2⑥意識レベル、処置実績から⑦酸素投与の情報を24時間遡って収集し、算出したNEWSをベッドマップ形式で可視化した。NEWSから求めたリスク評価に応じて色分けし、視認性を向上させた。ハイリスク患者をクリックすると、別画面にて24時間以内の各NEWSを時系列で表示する。ハイリスク患者を「ラウンド対象患者」としてExcelで出力する機能も追加した。【結果】本院ではRRT稼働当初、集中治療部・高度救命救急センター転出後1日目の患者をラウンド対象としていたが、NEWSの評価では、そのほとんどがハイリスク患者ではなかったことが判明した。そこで、転出後定例ラウンドを廃止し、NEWSハイリスク患者のラウンドに移行した。これにより、RRTの負担を増やすことなく対象患者を適正化することができると考えられた。また、患者のNEWSを遡って確認する機能により、予測外に院内心停止に至った患者の振り返りにも利用可能となった。このシステムの構築により、意識レベルなどの看護記録を確実に残すことも浸透できた。【考察・結論】急変前兆を察知するため過去24時間以内のNEWSを可視化するシステムを構築した。本システムの運用により院内急変患者の発生率や治療成績が向上するか今後検討していく。【倫理的配慮】本研究は病院職員が病院内で使用する情報収集機能のシステム構築である。得られた情報は、業務目的以外には使用しない。