[2-J-2-02] 災害時における受入可能患者数可視化取り組みの失敗と現場が必要としたもの
Disaster response, Disaster bed occupancy, Hospital systems
目的
令和6年能登半島地震により、金沢以南を中心に被災地からの患者受入体制構築が急がれ、石川中央地区にある当院も被災者受入を開始した。
県調整本部からの受入要請対応を円滑とするためICU・HCU空床数の2分の1をそれぞれトリアージにおける赤色・黄色患者の受入可能数とし院内システムに表示した。しかし現場では受け入れ困難があり全く利用できないものであった。
災害時の患者受け入れにおいて必要な数値・指標を調査し災害に備えるものである。
方法
類似事例の調査、院内運用における表示受入可能数と現場認識の差異は、病院長の他、看護部門・入退院調整部門・事務部門の長にヒアリングを行う。内容は「受入可能数表示の利用困難理由」「必要な情報な何であったか」とする。
結果
人工呼吸器の全台稼働による受入不能や、受け入れ要請を優先した結果、病床利用率が90%を超え予定手術入院患者のうち時間的余裕のあるものを延伸しても入院困難が発生し空床を以て受入可能とはできなかった。赤色、黄色に加え、医療の必要性の低い入院要請も多く発生したことも病床利用率が高くなった理由である。そのため、病棟枠や診療科枠ではなく病院全体として入院を受け入れる必要があった。
考察・結論
災害時において状況は常に変化するため、拙速に作成した特化型機能では適応困難となる例であった。システムとして必要なものは汎用的機能であり。具体的には(1)中等症以上を受け入れるために必要な人工呼吸器等の稼働状況・予定の可視化、(2)病棟毎を含む病院全体での空床数の表示が挙げられる。
これは平時より準備・活用可能なものでり、数値の活用が浸透することで災害時においても活用が可能と考えられる。
倫理的配慮
公立松任石川中央病院における倫理委員会において審査され承認を得た。ヒアリング対象者については研究当日に書面を提示し研究説明を行い口頭にて承認協力を得た。
令和6年能登半島地震により、金沢以南を中心に被災地からの患者受入体制構築が急がれ、石川中央地区にある当院も被災者受入を開始した。
県調整本部からの受入要請対応を円滑とするためICU・HCU空床数の2分の1をそれぞれトリアージにおける赤色・黄色患者の受入可能数とし院内システムに表示した。しかし現場では受け入れ困難があり全く利用できないものであった。
災害時の患者受け入れにおいて必要な数値・指標を調査し災害に備えるものである。
方法
類似事例の調査、院内運用における表示受入可能数と現場認識の差異は、病院長の他、看護部門・入退院調整部門・事務部門の長にヒアリングを行う。内容は「受入可能数表示の利用困難理由」「必要な情報な何であったか」とする。
結果
人工呼吸器の全台稼働による受入不能や、受け入れ要請を優先した結果、病床利用率が90%を超え予定手術入院患者のうち時間的余裕のあるものを延伸しても入院困難が発生し空床を以て受入可能とはできなかった。赤色、黄色に加え、医療の必要性の低い入院要請も多く発生したことも病床利用率が高くなった理由である。そのため、病棟枠や診療科枠ではなく病院全体として入院を受け入れる必要があった。
考察・結論
災害時において状況は常に変化するため、拙速に作成した特化型機能では適応困難となる例であった。システムとして必要なものは汎用的機能であり。具体的には(1)中等症以上を受け入れるために必要な人工呼吸器等の稼働状況・予定の可視化、(2)病棟毎を含む病院全体での空床数の表示が挙げられる。
これは平時より準備・活用可能なものでり、数値の活用が浸透することで災害時においても活用が可能と考えられる。
倫理的配慮
公立松任石川中央病院における倫理委員会において審査され承認を得た。ヒアリング対象者については研究当日に書面を提示し研究説明を行い口頭にて承認協力を得た。
