[2-J-3-01] 薬剤師・医療情報技師(HIT-Pharmacist)に対する現状調査2024
第3章 所属医療機関における医療情報システムについて
HIT-Pharmacist, Healthcare Information Technologist, Hospital Information System, Pharmacist
【目的】我々は医療情報技師の資格を取得した薬剤師を薬剤師・医療情報技師(以下 HIT-P)と称し、「薬剤師・医療情報技師会」を設立している。これまで4年毎にHIT-P所属施設の現状調査を2回実施してきた。本研究では、2024年におけるHIT-P所属施設の医療情報システム(HIS)の現状を調査し、HIT-Pの役割やその活動における課題を明らかにすることを目的とした。
【方法】2024年4月時点における会員260名に対して、Googleフォームによる無記名、選択肢および記述回答式の全51問のアンケート調査を実施した。なお、本設問範囲は1施設につき1名が回答をするよう依頼した。
【結果】アンケートは76施設からの回答が得られ、HISを導入していた72施設を有効回答とした。HISの薬剤マスタは64施設(89%)で薬剤部門が整備していた。また、53施設(74%)ではHISに処方チェックデータベースを導入しており、その内41施設(77%)では薬剤部門が管理を行っていた。院外処方箋は、QRコード等の電子情報印字を32施設(44%)、検査値情報の印字を29施設(40%)で対応していた。また、電子お薬手帳は12施設(17%)、電子処方箋は2施設(3%)で導入していた。情報セキュリティの定期教育は54施設(75%)、ランサムウェア対策は56施設(78%)で実施されていた。
【考察・結論】前回調査の2020年よりHIS導入施設の回答が11施設増えており、院外処方箋への電子情報の印字、電子お薬手帳の交付が各々10%程度増加しており電子化が進んでいた。HISの薬剤関連システムの管理は主に薬剤部門が担っており、適切な運用にはITリテラシーが求められ専門知識を持つHIT-Pの活躍が期待される。また、今回初調査となった電子処方箋の導入率は1割以下であり今後の課題と考える。さらに情報セキュリティの教育や対策を実施する施設が7割程度ある現状を把握できた。今後も調査を継続しHISの実態を把握することは、HIT-Pの取り組みの成果やその方向性の確認において重要である。
【方法】2024年4月時点における会員260名に対して、Googleフォームによる無記名、選択肢および記述回答式の全51問のアンケート調査を実施した。なお、本設問範囲は1施設につき1名が回答をするよう依頼した。
【結果】アンケートは76施設からの回答が得られ、HISを導入していた72施設を有効回答とした。HISの薬剤マスタは64施設(89%)で薬剤部門が整備していた。また、53施設(74%)ではHISに処方チェックデータベースを導入しており、その内41施設(77%)では薬剤部門が管理を行っていた。院外処方箋は、QRコード等の電子情報印字を32施設(44%)、検査値情報の印字を29施設(40%)で対応していた。また、電子お薬手帳は12施設(17%)、電子処方箋は2施設(3%)で導入していた。情報セキュリティの定期教育は54施設(75%)、ランサムウェア対策は56施設(78%)で実施されていた。
【考察・結論】前回調査の2020年よりHIS導入施設の回答が11施設増えており、院外処方箋への電子情報の印字、電子お薬手帳の交付が各々10%程度増加しており電子化が進んでいた。HISの薬剤関連システムの管理は主に薬剤部門が担っており、適切な運用にはITリテラシーが求められ専門知識を持つHIT-Pの活躍が期待される。また、今回初調査となった電子処方箋の導入率は1割以下であり今後の課題と考える。さらに情報セキュリティの教育や対策を実施する施設が7割程度ある現状を把握できた。今後も調査を継続しHISの実態を把握することは、HIT-Pの取り組みの成果やその方向性の確認において重要である。
