Japan Association for Medical Informatics

[2-J-3-02] 薬剤師・医療情報技師(HIT-Pharmacist)に対する現状調査2024
第1章 薬剤師・医療情報技師の背景、業務および活動について

*Satomi Nagashima1, Yasunori Nagano2, Kyohei Terauchi3, Akihisa Esashi4, Atsushi Daikoh5, Yoshinori Seto6, Naoki Yoshida7, Kenta Koike8, Masahiro Ohba9, Hiroyasu Sato10 (1. 東京大学医学部附属病院, 2. 公益社団法人 東京都教職員互助会 三楽病院, 3. 藤田医科大学ばんたね病院, 4. 宮城県立がんセンター, 5. 済生会横浜市東部病院, 6. 北里大学病院, 7. 大阪大学医学部附属病院, 8. 医療法人社団誠馨会 総泉病院, 9. JA神奈川県厚生連 伊勢原協同病院, 10. JA北海道厚生連 網走厚生病院)

HIT-Pharmacist, Healthcare Information Technologist, Hospital Information System, Pharmacist

【目的】我々は医療情報技師の資格を取得した薬剤師を薬剤師・医療情報技師(HIT-Pharmacist、以下HIT-P)と称し、「薬剤師・医療情報技師会」を設立している。当会はHIT-Pの背景や業務内容、活動状況について4年ごとに現状調査を実施している。本研究では、2024年におけるHIT-Pの現状を調査し、HIT-Pの役割やその活動における課題を明らかにすることを目的とした。【方法】2024年4月時点における会員260名に対して、Googleフォームによる無記名、選択肢および記述回答式の全32問のアンケート調査を実施した。【結果】115名から有効回答を得た(回収率44.2%)。回答者の勤務先は、病院が105名(91.3%)と多くを占めた。HIT-Pの人数は前回調査の2020年以降も、年間4-5名程度増加していた。年齢分布は41歳以上が全体の67.8%を占めていた。業務全体に占める情報システム関連業務の割合は平均25.6%だった。医療情報技師の資格取得に関しては、81.7%(5段階評価:5が51.3%、4が30.4%)が取得して良かったと回答し、その理由としては「システムに関することがわかる」が最も多かった。一方、49名(42.6%)のHIT-Pが「後進の育成が難しい」と回答しており、人材育成に課題があるとの結果であった。【考察・結論】本調査において、HIT-Pは増加傾向にあり、資格取得に対する満足度は高いことが明らかとなった。 一方、人材育成について課題を抱えているHIT-Pは多く、育成方法の確立が早急に望まれる現状が明らかとなった。当会では、施設のノウハウや新しい技術の情報共有を目的に、定期的な勉強会等を実施している。これらの活動を通して、HIT-Pの更なる知識の向上を図ると共に、後進の育成にも繋げていきたい。