[2-J-3-02] 薬剤師・医療情報技師(HIT-Pharmacist)に対する現状調査2024
第1章 薬剤師・医療情報技師の背景、業務および活動について
HIT-Pharmacist, Healthcare Information Technologist, Hospital Information System, Pharmacist
【目的】我々は医療情報技師の資格を取得した薬剤師を薬剤師・医療情報技師(HIT-Pharmacist、以下HIT-P)と称し、「薬剤師・医療情報技師会」を設立している。当会はHIT-Pの背景や業務内容、活動状況について4年ごとに現状調査を実施している。本研究では、2024年におけるHIT-Pの現状を調査し、HIT-Pの役割やその活動における課題を明らかにすることを目的とした。【方法】2024年4月時点における会員260名に対して、Googleフォームによる無記名、選択肢および記述回答式の全32問のアンケート調査を実施した。【結果】115名から有効回答を得た(回収率44.2%)。回答者の勤務先は、病院が105名(91.3%)と多くを占めた。HIT-Pの人数は前回調査の2020年以降も、年間4-5名程度増加していた。年齢分布は41歳以上が全体の67.8%を占めていた。業務全体に占める情報システム関連業務の割合は平均25.6%だった。医療情報技師の資格取得に関しては、81.7%(5段階評価:5が51.3%、4が30.4%)が取得して良かったと回答し、その理由としては「システムに関することがわかる」が最も多かった。一方、49名(42.6%)のHIT-Pが「後進の育成が難しい」と回答しており、人材育成に課題があるとの結果であった。【考察・結論】本調査において、HIT-Pは増加傾向にあり、資格取得に対する満足度は高いことが明らかとなった。 一方、人材育成について課題を抱えているHIT-Pは多く、育成方法の確立が早急に望まれる現状が明らかとなった。当会では、施設のノウハウや新しい技術の情報共有を目的に、定期的な勉強会等を実施している。これらの活動を通して、HIT-Pの更なる知識の向上を図ると共に、後進の育成にも繋げていきたい。
