[2-J-3-03] HL7 Potential Drug-Drug Interaction (PDDI) CDS実装ガイドを日本で適用する際の課題の検討
Drug-Drug Interaction, PDDI CDS, HL7FHIR
【目的】薬物治療において、薬物相互作用の体系的な情報は重要である。現在汎用されている薬物相互作用のチェックシステムは、単純な医薬品の組み合わせに基づいて多くのアラートを発するため、アラート疲弊も指摘されている。NeXEHRSコンソーシアムでは、その解決となるCDS Hooksを活用したHL7 Potential Drug-Drug Interaction (PDDI) CDSのプロトタイプ版の実装を行っており、現実的な実装に向けた具体的な検討が進んでいる。本研究では、PDDI CDS実装ガイドを日本で適用する際の課題について、薬学的な視点で検討することを目的とした。
【方法】PDDI-CDS実装ガイドが参照するW3Cの最小情報モデルで提示された14のサンプルデータと日本の添付文書に記載された相互作用情報を比較した。
【結果】概ね両者の整合性が認められた。サンプルデータでは、年齢、投与量、投与経路、検査値、既往歴などの条件により細かく相互作用のリスク評価が提示されていた。例えば、ワーファリンとST合剤の相互作用では、患者の年齢(65歳以上)を条件としてリスク評価が分かれていた。一方で、日本で併用注意となっていない薬剤の組み合わせの提示、欧米では販売されていない漢方薬の欠落、条件とする検査値の基準の相違(例:βブロッカーとエピネフリンの相互作用でのCrCl値)などがみられた。
【考察・結論】PDDI-CDSの実装により、単純な医薬品の組み合わせだけでなく、年齢や、検査値などの複数の条件を用いて、より精度の高いアラートが可能となることが確認された。日本での実装時の課題として、添付文書情報上でのアラートレベルの相違、国による販売医薬品の違いや用法・用量の違い、検査値の基準の違い、人種差などを考慮する必要性があげられた。今後、充足されていくデータにより、日本での適用時の課題について、さらなる検討が必要である。
【方法】PDDI-CDS実装ガイドが参照するW3Cの最小情報モデルで提示された14のサンプルデータと日本の添付文書に記載された相互作用情報を比較した。
【結果】概ね両者の整合性が認められた。サンプルデータでは、年齢、投与量、投与経路、検査値、既往歴などの条件により細かく相互作用のリスク評価が提示されていた。例えば、ワーファリンとST合剤の相互作用では、患者の年齢(65歳以上)を条件としてリスク評価が分かれていた。一方で、日本で併用注意となっていない薬剤の組み合わせの提示、欧米では販売されていない漢方薬の欠落、条件とする検査値の基準の相違(例:βブロッカーとエピネフリンの相互作用でのCrCl値)などがみられた。
【考察・結論】PDDI-CDSの実装により、単純な医薬品の組み合わせだけでなく、年齢や、検査値などの複数の条件を用いて、より精度の高いアラートが可能となることが確認された。日本での実装時の課題として、添付文書情報上でのアラートレベルの相違、国による販売医薬品の違いや用法・用量の違い、検査値の基準の違い、人種差などを考慮する必要性があげられた。今後、充足されていくデータにより、日本での適用時の課題について、さらなる検討が必要である。
