Japan Association for Medical Informatics

[2-J-3-04] モバイルアプリケーションによる棚卸業務の効率化

*Kichinosuke Shohata1, Akio Fujii1, Hideki Fukuda1, Yoshiaki Fujimura1, Noriyuki Takahashi1, Katsuhiko Ozaki1, Hiroko Nomura9, Atsumu Sasaki2, Hisashi Yoshimoto5, Keiko Furukawa7, Shougo Sekiguchi3, Hiroki Nagashima5, Toshiki Taura4, Masatoshi Nakamura3, Hiroshi Okuda6, Takashi Nakatani8 (1. 徳洲会インフォメーションシステム株式会社, 2. 札幌徳洲会病院, 3. 湘南鎌倉総合病院, 4. 生駒市立病院, 5. 吹田徳洲会病院, 6. 和泉市立総合医療センター, 7. 福岡徳洲会病院, 8. 岸和田徳洲会病院, 9. 一般社団法人 徳洲会 大阪本部)

Medicine, Pharmacy, Inventory Control

背景・問題点
徳洲会グループ(以下グループ)では、医薬品の棚卸業務がPCのメインシステムと紙ベースで行われており、実施の証跡資料となる紙の管理や、紙からメインシステムへの転記入力作業、それに伴い発生する人的ミスの修正作業などの作業負荷が大きいことが問題であった。また、実施ミス防止や正確性担保のため監査法人より2人1組での実施が義務付けられており、人的リソースの確保も課題であった。これらを解決するため、グループ運用に適したモバイルアプリケーションの開発を行なった。

問題解決の方法
紙の準備と管理にかかる手間、転記にかかる作業コストを削減するため、棚卸実施が可能なモバイルアプリケーションを開発した。また、実施ミス防止や正確性担保、グループで統一した運用を実施可能とするため、運用ルール制御機能や理論数量との比較チェック機能などの実装も行なった。

結果・考察
2023年1月にアプリをリリースし、2024年4月末時点でグループ内の68施設に導入された。業務効率化の面においては、医薬品マスタ登録数の多い施設で月に約300枚の紙及びその準備時間を削減し、転記作業と修正作業に要していた時間を月平均3時間削減した。実施ミス防止や正確性担保のために必要だった2人1組での実施については、チェック機能や運用ルールの制御機能で担保可能と監査法人に判断されたため、1人での実施が可能となった。これにより作業の同時実施人数が2倍、もしくは所要人数が半分となった。さらに、アプリ使用による統一された運用により、他施設・他部門からの業務支援時などにおいてもスムーズに同じレベルの作業が可能となった。今後の課題としては、音声入力や風袋除去機能など棚卸機能の拡充と、棚卸以外の発注や納品、期限チェックなどの機能追加が予定されている。これらはメインシステムのリニューアルに合わせて、2024年11月ごろにリリース予定である。