【目的】我々は医療情報技師の資格を取得した薬剤師を薬剤師・医療情報技師　（HIT-Pharmacist、　以下HIT-P）　と称し、「薬剤師・医療情報技師会」を設立している。これまで、薬剤師・医療情報技師会の活動の一環としてHIT-Pを対象として現状調査を実施し報告してきた。本研究では、所属医療機関の薬剤部門システムの導入状況等を調査し、HIT-Pの役割やその活動における課題を明らかにすることを目的とした。【方法】2024年4月時点における会員260名に対して、Googleフォームによる無記名、選択肢および記述回答式の全33問のアンケート調査を実施した。なお、回答は1施設につき1名のHIT-Pが回答をするよう依頼した。【結果】76名から回答が得られ、有効となる回答数は75であった。回答者の勤務先は病院勤務が72名、保険薬局が3名であった。薬剤部門システムの総導入数は265、主なシステムの導入数（導入率）は、自動錠剤分包機が73施設（97.3%）、散薬監査システムが65施設（86.7%）、また、アンプルピッカーが41施設（54.7%）であり「必要としているが許可されない」と回答した施設は6施設あった。また、GS1 DataBarの利用数は214（77.0%）であった。【考察・結論】調剤部門システムについて、自動錠剤分包機および散薬監査システムの導入率は前回の調査結果とほぼ変化がなかった。注射部門システムについて、アンプルピッカーの導入率は前回の調査結果とほぼ同率であった。しかし、「必要としているが許可されない」と回答した施設が6施設あり導入を希望しているが許可されず導入が進まない施設もあることがわかった。前回調査時におけるGS1 DataBarのシステムへの利用率は69.1%であり、GS1 DataBarの普及は進んでいると考える。本研究において調査時点における薬剤部門システムの導入状況が明らかとなった。薬剤部門システムを有効に導入・使用していくため専門的な立場から啓発していくとともに、今後も調査を継続していくことが必要と考える。なお、詳細は当日に報告する。