Japan Association for Medical Informatics

[2-J-3-06] 電子患者日誌と電子カルテのリアルタイム連携アプリケーションの開発

*Daisuke Ishikawa1, Atsushi Manabe1, Hideki Fukuda1, Yoshiaki Fujimura1, Noriyuki Takahashi1, Katsuhiko Ozaki1, Hiroko Nomura2, Tetsuya Katori3, Takafumi Izumo3, Masayo Komoda3 (1. 徳洲会インフォメーションシステム株式会社, 2. 一般社団法人徳洲会 大阪本部, 3. 千葉西総合病院)

Electronic Patient Reported Outcomes, Pharmaceutical Management System, Health Care System

背景・目的:
近年、患者の主観評価の重要性が高まっており、電子患者日誌システム(以下患者日誌)は米国を中心に導入が進められ、特にがん領域で多く利用されている。徳洲会グループ(以下グループ)の一部の病院では、2022年4月より、患者の主観評価に加え化学療法プロトコルやトレーシングレポートを病院・保険薬局間で共有する患者日誌の運用を開始したが以下の課題があった。
①院内の薬剤師は、日常的に電子カルテに記録した化学療法の情報を、もう一度、患者日誌へ入力する労力が大きい。
②連携充実加算の算定には治療計画書の作成も必要であり、薬剤師の負担は大きかった。これらを解決するために、電子カルテに記録した化学療法の情報を患者日誌と連携するとともに、治療計画書も作成できるアプリケーション(以下アプリ)の開発に取り組んだ。

方法:
①電子カルテから起動した本アプリは患者の化学療法の情報や検査結果を自動取得する。また、病院薬剤師が薬局薬剤師に伝えたい地域連携情報提供として、患者の外来化学療法時に行った薬学的ケアの情報を入力する。これらのデータを患者日誌へ送信しリアルタイムに連携する機能を開発した。
②上記①のデータを用いて化学療法の治療計画書を効率的に作成する機能の開発を行った。

結果・考察:
病院や保険薬局では、患者の日々の症状変化も確認でき、地域で連携して患者を継続的に見守ることが可能となった。また、治療計画書の作成負担が軽減されたことにより、文書の作成数も増加した。これにより、患者日誌の導入数は、グループ6病院・保険薬局6薬局へ増加した。今後、機能の拡充や本アプリの活用方法の普及を行い、外来のがん治療における患者サポートのさらなる充実を目指したい。