[2-J-5-03] 診断群分類別包括評価における入院期間Ⅱ超過の原因となる潜在因子の分析
DPC/PDPS, decreased amount, correlational analysis, observation variable, latent variable
【目的】診断群分類別包括評価度(以下、「DPC/PDPS」という)では診断群分類毎に入院期間Ⅰ~Ⅲの3段階の1日当たりの包括点数が設定されている。入院期間Ⅱ以内は一入院期間での1日当たり医療資源平均投入量が保障されるが、入院期間Ⅲ以降では平均投入量以下に減額される。演者らは前研究で入院期間Ⅱ超えの回避を目的とし、在院日数延長に影響を及ぼす原因因子を明確する分析をDPC様式1の項目を潜在因子として行ったが、明確な結果が得られなかった。このことから、新たに入院時の生化学・血液学的検査の結果を潜在因子として分析を行うこととした。【方法】浜松医科大学医学部附属病院の2018年以降のDPC/PDPSの入院症例と株式会社JMDC提供の全国の500床以上の病院の入院症例間で、症例群毎に超過在院日数など6つの観測変数と併存症数など71の潜在変数による相関分析を行った。分析時の症例群分類は前研究に基づき傷病名(DPCコード6桁)+手術有無とし、分析結果は散布図と相関係数表に表した。【結果と考察】”140010O(手術有)妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害”や”080270O(手術有)食物アレルギー”では観測変数と潜在変数の間で強い相関のあるものもあるが、逆に相関の観られない疾患もあることが判った。また、相関があっても相関が正の場合と負のもあり、観測変数の一部だけが潜在変数との相関がある場合もあった。 これらのことから一部の疾患群では潜在変数、特に入院時の生化学・血液学検査の値により在院日数の長期化が予測される可能性があることが判った。【結語】今後は、観測変数と潜在変数の間に相関のある症例群の関係性の高い複数の変数を利用した重回帰分析や、これらの検査値以外の検査値も含めた潜在変数を活用した入院前後の一定の期間の相関分析等により、より詳細な在院日数予測が行えるものと考える。
