[2-J-5-05] 退院サマリー作成に関するガイダンスと退院時サマリーHL7 FHIR記述仕様を参考にした退院時サマリーの改装の事例
Discharge summary, HL7 FHIR, Standardization, Implementation Guide
【目的】電子カルテ情報共有サービスで、3文書は文書として扱われるが、該当する情報は6情報として送信されたのと同様にも管理される。退院時サマリーHL7 FHIR記述仕様(記述仕様)に収載の情報は多く、必須要素だけでも網羅は容易でない。大阪急性期・総合医療センターの退院時サマリー(サマリー)は部門システムで作成している。退院時サマリーFHIR document(FHIR DS)が6情報を送信できる文書になるよう改装した。【方法】本事例では、必須項目に加えて一部の任意要素を備えた。情報の上流にあたる基幹システムにある情報は、部門システムに引用された内容の事後調整により確定される。要約文などの上流にない情報は、従来どおりサマリーのために入力される。記述仕様がテーブル構造を要求するデータに、上流で構造化されたデータを持たない予防接種情報や同意情報がある。また、医療機器やアレルギー等も、記述仕様の要求する情報と粒度が異なる。日常の診療で利用し更新されるべき情報であり、単にサマリーの作成画面への入力ではなく、拡張ツールとして新たな画面を設計した。この新画面では、医療機器、アレルギー・不適応反応、感染症・予防接種、同意情報のうち事前指示の情報を管理する。【結果】サマリーの情報量は改められ、FHIR DSには必須要素に加えて多数の任意要素が実装できた。【考察・結論】サマリーが上流より情報過多になっても安全管理上の意味が乏しいという視点の下、可能な限り上流システムから引用される設計にしたが、記述仕様に沿うデータが不揃いで律速段階は多い。6情報を含むサマリーの整備は、個々の医療機関の取り組みとして重要である。部門システムの強化による実装で、水平展開の可能性もある事例と考える。大阪急性期・総合医療センターのサマリーは、FHIR DSに対応できる文書となった。【倫理的配慮】本事例では特定の人に由来する情報の利用はない。
