一般社団法人 日本医療情報学会

[2-J-6-03] 医薬品の薬事申請へのデータ利用を視野に入れた臨床研究データ管理システム(CRIN-Q)の運用

*平田 明恵1、山下 貴範2、宮原 冬佳2、川崎 史織2、池田 真一郎2、古橋 寛子1、坂梨 健二3、船越 公太3、神田橋 忠2、戸高 浩司3、中島 直樹1,2 (1. 九州大学大学院医学研究院医療情報学講座, 2. 九州大学病院メディカル・インフォメーションセンター, 3. 九州大学病院ARO次世代医療センター)

clinical research data management system, regulatory approval , computerized system validation

【目的】運用中の臨床研究データ管理システム(Clinical Research Internet Network by Kyu[Q]shu University Hospital、CRIN-Qシステム)について、医薬品薬事申請へのデータ利用を視野に入れ、当局の指針・要求事項を基に体制・手順を構築した過程、運用の実際、気付きについて報告する。【方法】2022年4月にPMDAの医薬品レジストリ活用相談を受審し、その助言に基づき本システムを提供する九州大学病院メディカル・インフォメーションセンター臨床観察研究支援事業(Clinical Observational Study Support System、 COS3)が整備した人員体制、基幹手順およびコンピュータ化システム管理(CSV)関連など各論手順の概要と、実施内容を示す。【結果】2022年7月より運用手順整備を開始し、文書階層の上位からCOS3総則(体制・業務定義)、基幹手順書(文書管理手順書、教育訓練手順書など)を同年10月に施行した。以降、COS3体制図における各業務担当部門が、COS3総則に定義された受託業務について当局指針・要求事項を踏まえた手順書・記録書式の整備を進めた。同年12月までに自己点検手順など基幹手順書と、CSVおよび電子記録・電子署名に関する各論手順書を順次施行し、本システムの回顧的バリデーションを実施した。2023年1月の初回自己点検にて手順のfeasibilityを確認し、不適合事項の優先度の高い事項について同年3月にシステム改修と変更時バリデーションを完了した。現在まで2回の自己点検を行い体制・手順の改訂を重ね継続運用中である。【考察・結論】薬事申請利用を目指すレジストリ運用には、手順に沿った業務の実施と点検・是正を可能とするガバナンスが鍵となる。【倫理的配慮】倫理的配慮の対象に該当しない。