Japan Association for Medical Informatics

[2-J-6-04] FHIR準拠の「初診予約システム」の実証
~オープンな病診連携の推進に向けて

*Hiroshi Ikai1, Tetsuya Kimura1, Tomohiro Kuroda2 (1. 京都府立医科大学, 2. 京都大学)

HL7 FHIR, Appointments and Schedules, Clinic-Hospital Cooperation

2040年頃を見据えた「新たな地域医療構想」の検討においては、地域の病院・医院・在宅医療・多職種による役割分担とICTを活用した連携の強化が提言されている。特に「かかりつけ医」が機能を発揮するためには、病態に応じて「なるべく早く、必要な専門的医療へ、スムーズに」患者を紹介できるインターフェースが求められる。一方、2024年現在ではかかりつけ医を対象とした病院専門外来の初診予約は電話やFAXによる運用が主流であるほか、民間事業者によるウェブ予約システムも開発・提供が進みつつあるが、電子カルテの外来予約機能と直接連動したオンライン予約システムは稀で、多くは病院担当者の目視確認を介したオフライン運用となっている。また、病院ごとに異なる予約システムが並立するケースが多く、複数病院の空き状況を比較して予約可能な事例は限られている。今後、電子カルテ/予約システムベンダに限定されることなく相互運用性を高め、地域で一体的なオンライン予約システムを段階的に実現するためには、HL7-FHIRの関連リソースの整備を通じて電子カルテ各社の外来予約機能と予約システムとの間での情報交換を標準化することが有用と考えられた。本デモでは日本マイクロソフト株式会社が提供するAzure Health Data Services®を用いてSlot/Appointment/AppointmentResponse/Encounterの4リソースの動きを示す実証環境を構築したので報告・展示する。現在JpCoreでは外来・入院前受診・入院・遠隔医療などを包括したEncounterリソースの実装ガイドが提供され、Appointmentリソースとの併用について言及されている。外来予約機能が実装すべきSlotやAppointmentResponseについてはJpCoreでは検討されていないため、FHIR Baseにそって実装した。 実運用に向けたセキュリティやワークフローの課題についても検討する。