一般社団法人 日本医療情報学会

[3-B-1] CDISCとの連携による国際標準化・国際臨床研究の推進

*岡田 美保子1、Chris Decker2、Rhonda Facile2、安藤 友紀3、佐藤 直市4、中島 直樹5、小出 大介6、上野 悟7 (1. 一般社団法人医療データ活用基盤整備機構、2. Clinical Data Interchange Standards Consortium (CDISC)、3. 独立行政法人医薬品医療機器総合機構、4. 九州大学病院メディカル・インフォメーションセンター、5. 九州大学大学院医学研究院医療情報学講座、6. 東京大学大学院医学系研究科生物統計情報学講座、7. 国立保健医療科学院保健医療情報政策研究センター)

CDISC, international standards, international collaborative research

CDISC(Clinical Data Interchange Standards Consortium)は臨床試験データの交換標準として知られ、FDA、PMDAは新薬の製造販売承認申請時にCDISC標準に準拠した臨床試験の電子データを受け付けている。組織としては、CDISCは国際的・学際的なNPOであり、成熟した標準ガバナンスプロセスを有している。CDSIC会員の業種はCRO (34%)、テクノロジーサービス(20%)、製薬企業 (17%)、アカデミック(7%)、他にコンサルティング、医療提供機関、行政、等となっている。国別の会員数割合では米国に続いて日本、中国、 英国、ドイツ等と続き、日本は米国に次いで高い会員数の割合を占めている。
 CDISCは臨床試験だけでなく、医学研究、ヘルスケアに係る研究を支援する標準を開発しており、米国では多くのアカデミアとの連携プロジェクトがある。国内では2016年8月にAMEDがCDISCメンバーとなり、2017年3月にはAMED主催のCDISC公開シンポジウムを開催している。CDISCのRWDに係る標準に関するイニシャティブでは日本からも研究者が参加して協力している。2023年度厚生労働科学研究(代表者・中島直樹)においては、国際標準化の取組みの一環として、CDISCと連携してPHR推奨設定項目とCDISC標準とのマッピング可能性を評価し、高い割合でのマッチが確認されている。本共同企画においては、CDSIC Presidentより、CDISCのビジョンとロードマップ、2025年から始まる最新の活動計画、CDISC Vice Presidentより、アカデミックリサーチ、Real World Dataを支えるCDISCの取組みについてご講演いただくとともに、PMDAにおけるCDISC標準の採用、日本の研究者によるCDISCとの連携プロジェクト等について紹介し、臨床研究領域におけるCDISCとのさらなる連携の可能性を議論し、我が国の国際標準化活動、国際臨床研究の推進に資するセッションとしたい。