[3-B-4-04] 臨床医学分野のオントロジーとLLMの協調による医用知識システム高度化に向けた展望
我が国においてはこれまで、オントロジー工学に基づき疾患・解剖・異常状態などの臨床医学用語・概念間の意味関係を記述した臨床医学オントロジーCONAND、あるいは症例報告文章から患者に起こった病態の流れを記述し診断支援エンジンに活用した J-Casemap など、臨床医学知識の構造化記述を志向したプロジェクトが行われてきた。またその成果はそれぞれLOD (Linked Open Data)や内科学会会員向けの診断支援エンジンとして公開・活用されている。カバー範囲あるいは、論理的形式性の観点からのHeavy-weight、Light-weight といった性質の違いはあるものの、これらの知識グラフ・オントロジーは相補的な構造化医学知識リソースであり、情報量は膨大な医用文章にも匹敵するものである。
これまで知識を構造化し2次利用する、いわゆる知識ベース手法は高い有用性も認められる一方、その構築と更新に多大なコストがかかるという大きな問題を抱えてきた。しかし近年大規模言語モデル(LLM)の発展により、これら構造化知識リソースを医用文章から自動構築する手法も進展してきており、Heavy-weightオントロジーについてはまだ難しそうではあるものの、Light-weightオントロジーについてはある程度目処が立ってきている。また検索拡張生成(RAG)での利用や、これら膨大な医用文章に相当する構造化医学知識リソースのLLMへの埋め込みなど、両者の協調による新しい高度な医用知識システム開発に向けた道筋も見えてきている。
本発表では演者らがこれまで取り組んできた医学知識構造化とその自動化の研究事例の紹介を通じ、知識グラフやオントロジーとLLMとの協調による医用知識システムの高度化に向けた現状と方向性、将来展望について述べる。
これまで知識を構造化し2次利用する、いわゆる知識ベース手法は高い有用性も認められる一方、その構築と更新に多大なコストがかかるという大きな問題を抱えてきた。しかし近年大規模言語モデル(LLM)の発展により、これら構造化知識リソースを医用文章から自動構築する手法も進展してきており、Heavy-weightオントロジーについてはまだ難しそうではあるものの、Light-weightオントロジーについてはある程度目処が立ってきている。また検索拡張生成(RAG)での利用や、これら膨大な医用文章に相当する構造化医学知識リソースのLLMへの埋め込みなど、両者の協調による新しい高度な医用知識システム開発に向けた道筋も見えてきている。
本発表では演者らがこれまで取り組んできた医学知識構造化とその自動化の研究事例の紹介を通じ、知識グラフやオントロジーとLLMとの協調による医用知識システムの高度化に向けた現状と方向性、将来展望について述べる。
