[3-B-5-03] 健康医療情報規格の国際化を推進する人材の育成
国際標準といえばISO(国際標準化機構)がよく知られている。1998年には技術委員会ISO/TC215(Health Informatics)が発足した。データ交換、用語・概念、診療情報表現、セキュリティ・プライバシー、薬剤などのWorking Group(WG)に加えて2021年にはPersonazlied Digital HealthのWGができた。従来、医療情報標準の先進国である欧米諸国が規格開発の中心となっているが、近年、韓国や中国、インドから新規の規格開発提案があがっており、これらの国々からは若手の参加者が目立つ。背景に国家の標準戦略を定めて国際競争力を高めること、政策として標準を活用するといった考え方があると聞く。
対して日本は圧倒的に若手に乏しい。国際規格は長期戦略でみていく必要があり、これは深刻な問題である。若手の参画を妨げている理由として、社会的に評価されない(所属先から評価されない、業績に結び付かない)、経済的問題(旅費が保障されない)、教育機会の欠如(英語での国際的場面での議論はどうすればよいかわからない)などが挙げられる。企業においては欧米企業に比べて、国際規格に対する姿勢の違いがあるように感じられる。
グローバル化への対応の遅れが言われて久しい。「日本人は、国際標準は西洋からやってくると思っている」という趣旨のことを、その昔、日本人でISOの会長になられた方が書かれていたが、まさにそれである。国際標準の人材育成には、教材作りを頑張るだけではなく、国際標準は自ら参加して作るものという意識を高める必要がある。国際標準が策定されていく上での議論の仕方を実体験することは、国際感覚の養成、リーダ養成の観点からも極めて有効であると思う。急ぐべきは、若手や企業からの国際標準参画を評価する社会的土壌を醸成することで、ぜひ、医療情報学会としての取組みをお願いいたします。
対して日本は圧倒的に若手に乏しい。国際規格は長期戦略でみていく必要があり、これは深刻な問題である。若手の参画を妨げている理由として、社会的に評価されない(所属先から評価されない、業績に結び付かない)、経済的問題(旅費が保障されない)、教育機会の欠如(英語での国際的場面での議論はどうすればよいかわからない)などが挙げられる。企業においては欧米企業に比べて、国際規格に対する姿勢の違いがあるように感じられる。
グローバル化への対応の遅れが言われて久しい。「日本人は、国際標準は西洋からやってくると思っている」という趣旨のことを、その昔、日本人でISOの会長になられた方が書かれていたが、まさにそれである。国際標準の人材育成には、教材作りを頑張るだけではなく、国際標準は自ら参加して作るものという意識を高める必要がある。国際標準が策定されていく上での議論の仕方を実体験することは、国際感覚の養成、リーダ養成の観点からも極めて有効であると思う。急ぐべきは、若手や企業からの国際標準参画を評価する社会的土壌を醸成することで、ぜひ、医療情報学会としての取組みをお願いいたします。
