Japan Association for Medical Informatics

[3-C-1-01] 1回量処方オーダに対する用量チェックの調査報告

*Yoshihiro Wada1, Riyo Matsuo1, Hiroaki Uranishi1, Kazuyuki Ikeda1, Tetsuro Tamamoto2,3 (1. 奈良県立医科大学附属病院 , 2. 奈良県立医科大学 医療情報部, 3. 奈良県立医科大学 放射線腫瘍医学講座)

Prescription, Single dose, Standardization

【目的】処方箋の記載方法を統一するため、厚生労働省は「内服薬処方せんの記載方法の在り方に関する検討会」を設置し標準化に向けた検討を重ねられた。この中で、記載方法のあるべき姿として「分量」は「1回量」を記載することとしている。これを受けて当院では、2019年5月の電子カルテシステム更新時に、内服薬処方において1日量から1回量を基本とする処方オーダ入力システムへ変更した。そこで、処方入力時の用量上限設定によるチェックシステムのログ管理機能を利用し、1回量処方において用量が適切に入力されているかを検証する。【方法】システム更新前後(直前:2019年4月、直後:2019年6月)および2年後(2021年4月)、4年後(2023年4月)の1か月間における用量に関する上限を超過したチェック件数、薬剤入力レコード数、用量に関するヒヤリハット発生件数を主な評価項目として調査した。調査期間は、システム更新前後の影響および時間経過や処方入力者の影響を考慮し設定した。【結果】調査期間における用量に関するチェック件数(内1回量に関する上限を超過したチェック件数)は、更新直前3276件(1462件)、更新直後3383件(1647件)、2年後3130件(1511件)、4年後2620件(1203件)であった。1回量に関する上限を超過したチェック件数/薬剤入力レコード数(1回量処方の用量チェックの割合)は、更新直前1462件/133225件(110ppm)であり、更新直後1647件/128574件(128ppm)、2年後1511件/128223件(118ppm)、4年後1203件/128941件(93ppm)に推移していた。ヒヤリハット発生件数は、更新直後の2019年6月に1件の報告があった。【考察】1回量処方の用量チェックの割合は、更新から4年後では更新直前より減少しており、ヒヤリハット発生件数も更新直後の1件のみであった。当院の用量チェックシステムは、添付文書における適宜増減の記載の有無に関わらず1回量の最大用量でチェックする設定にしており、これらの仕組みが有用に機能していると考える。