医薬品の安全性を確保するためには医薬品をコード化し、それにまつわる各情報を正しく捉えることが重要である。しかし医療データの利活用が大きな潮流となる中、我が国においては様々な医薬品コードが存在し、その目的・用途ごとの使用で完結し、流通、レセプトでは使用するコードが定まり、安定して利用されている一方で、処方・調剤等においては、どの医薬品コードを使用するのかが明確になっていないのが実情である。
　個別医薬品コード（YJコード）は、薬価基準における統一名収載品に対しても個々の医薬品ごとにコードを付しており、医薬品個々の識別が可能である。このような特性から医療機関のシステムではローカルコードとYJコードが併せて登録されることがみられる。
臨床研究等における複数施設にわたるリアルワールドデータの活用、医療DXにおいては、標準となる医薬品識別コードが不可欠である。
個別医薬品コード（YJコード）は、薬価基準収載医薬品コードやそれに基づく一般名処方コードと親和性が高く、電子処方箋管理サービスにも利用されており、領域としては処方・調剤だけでなく学術研究領域などですでに活用されている。
電子カルテ情報共有サービスにおける運用（厚生労働省）にもみられるように、３文書６情報における各情報に使用するコード体系については、処方（YJコード）、薬剤禁忌（YJコード）と記述されている。