Japan Association for Medical Informatics

[3-C-2-03] 医薬品・医療機器にバーコード表示されている国際標準コードGTIN―医療安全のためのデータ連携と活用―

*Koichi Uemura1 (1. GS1 Japan)

2019年の薬機法改正により、医薬品や医療機器にはトレーサビリティ用のバーコードの表示が義務化された。これは製品のトレーサビリティを向上し、医療の安全性を高めようとする施策の一環であり、バーコードには国際的に標準化された製品コードであるGTIN(Global Trade Item Number)が表示されている。薬機法での義務表示は現時点では販売包装単位のみであるが、従来の取り組みにより、すでに医療現場で利用する単位である調剤包装にまでこの表示は進んでおり、多くの医療機関で活用が進みつつある。
医薬品にはYJコードや薬価基準収載医薬品コードなど多くのコードが利用されている。また医療機器には院内独自のコードで管理していることも多い。GTINには、1)製品そのものにバーコードの形態で表示されているためバーコードリーダを用いて迅速・確実に記録ができる、2)国際的に標準化されたコード体系であり世界で一意に製品を識別できる、3)トレーサビリティを推進するほとんどの国で医療製品を特定するコードとして採用されている、といった特徴がある。
医療DXを進める上で、製品の識別は欠かせない。実際に医療現場で使用された(あるいは使用される)製品を特定し記録することは、取り間違いの防止やトレーサビリティの確保を確実にし、医療の安全性を高めるために必須であるが、同時に、医療の効率化を進めるためにも極めて重要である。本セッションでは医薬品や医療機器に表示されているGTINと、YJコードやレセプト電算処理システム用コードなどとの関係性を解説するとともに標準化コードとデータ連携の必要性について議論したい。