Japan Association for Medical Informatics

[3-C-2-04] 医療におけるコード標準の必要性について~厚生労働省の取り組み~

*Tomonoshin Aoki1, Sho Yamazaki1, Akiko Tanaka1 (1. Ministry of Health, Labour and Welfare)

少子高齢化が進行し、人口減少社会の到来を迎える我が国では、医療・介護分野のDX を推進し、より質の高い医療やケアを効率的に提供する体制を構築するとともに、医療分野のイノベーションを促進し、その成果を国民に還元していく環境整備を進めることが必要である。このため政府では「医療 DX の推進に関する工程表」に基づき各取組をより実効的に進めているところである。
 2025年度中に本格運用を開始する予定である電子カルテ情報共有サービスでは、3文書6情報等を異なる医療機関間等で適切に共有する必要があり、電子カルテ情報の標準化と併せて、医療情報システムで使用する標準マスタ等を医療機関等に確実に導入すると共に、マスタの維持・更新等が非常に重要である。厚生労働省では、保健医療分野において必要な標準規格を厚生労働省標準規格として認めて普及を図っており、特に標準病名マスタ、臨床検査マスタ、医薬品HOTコードマスタ等7つのマスタについては、「高度医療情報普及推進事業」において維持管理を行っている。
 更に医療等情報の二次利用については、「医療等情報の二次利用に関するワーキンググループ」での議論を踏まえ、EUのEHDS法案等の仕組みも参考にしつつ、厚生労働大臣が保有する医療・介護関係の公的データベース(DB)について、仮名化情報の提供を可能にするとともに、利用申請の一元的な受付体制の整備、二次利用可能な各種DBを可視化した上で研究者や企業等がリモートアクセスして、各種DBのデータを安全かつ効率的に利用・解析できるクラウドの情報連携基盤を整備する方向で検討を行っている。これら医療等情報の利活用においても、データの標準化・信頼性確保のための取組を進めることが不可欠であり、研究目的に応じて適切なコードを活用できるよう、整備すべきマスタ等についても検討している。