一般社団法人 日本医療情報学会

[3-D-1-03] well-beingを踏まえた高齢者のジョブマッチングに関連する因子の検討

*横谷 升美1 (1. 兵庫県立大学大学院 情報科学研究科)

employment of older adults, well-being, suitable occupation

【目的】少子高齢化による労働力不足と就労意欲の高い高齢者が多いことで高齢者就労の需要が高まっている。高齢者就労はwell-beingを向上させる可能性があるが、生活機能の低下などで企業とアンマッチが生じている。そこで、well-beingを踏まえたジョブマッチングシステムの構築が求められる。最適なジョブマッチングを行うには職業と性格、健康に関連があると考えられ、これらの最適なマッチングによりwell-beingを踏まえた幸福度が向上すると考えられる。よって本研究は、最適なジョブマッチングシステムの構築のために、職業と性格、健康、幸福度の関係の調査分析を試みる。
【方法】神戸医療産業都市一般公開2023で実施した職業と性格、健康、幸福のアンケートで、ヒストグラムや基本統計量、相関係数を調べた。職業と性格、健康は順序ロジスティック回帰で分析した。主観的健康感の高いグループと低いグループで職業のt検定を行い、職場の満足度の高いグループと低いグループで幸福のt検定を行った。
【結果】職業と健康のt検定は職業に関する質問6項目中4項目でp値が0.05を下回った。順序ロジスティック回帰は職業と性格、健康で回帰係数が高くp値が低い項目が複数見られたが、モデルの当てはまり率は平均47%となった。職業と幸福のt検定は幸福に関する質問5項目中4項目でp値が0.05を下回った。
【考察・結論】本研究では、職業と健康、職業と幸福に有意差があり関係が見られた。一方、職業と性格には明確な関係が見られなかった。ロジスティック回帰では関係性を説明することが難しいと考えられるため、今後はジョブマッチングシステムの構築に向けて、より詳細なマッチングに必要な因子の探索や機械学習の適用などを検討する。
【倫理的配慮】兵庫県立大学情報科学研究科研究倫理委員会UHIS-EC-2023-004で承認された。