一般社団法人 日本医療情報学会

[3-E-2-01] 医療の未来を支えるためのネットワーク技術

*池永 全志1 (1. 九州工業大学)

医療機関で使用されるあらゆる機器がネットワークに接続され、様々なデバイスやアプリケーションから多様かつ大量に生成される情報が流通している。さらに、医療機関をまたがった情報の相互利用やクラウドの利活用、遠隔診療、災害発生時の医療支援など、ネットワーク利用の目的も多様化している。これらの医療環境を支えるためには通信・ネットワーク技術の進化が不可欠であり、高速大容量通信のためのBeyond 5G/6G モバイルネットワーク及び無線LAN技術、通信エリア拡大のためのHAPSや低軌道通信衛星(LEO)コンステレーション技術、低消費電力かつ長距離通信を可能にするLPWA無線通信技術などの研究開発が進められている。しかし、実際に医療情報の分野でこれらの技術を活用するためには、通信方式毎の特性とアプリケーションや利用者が期待する性能の関係を十分に考慮し、要求に適合させる必要があるだけでなく、複数のシステム間での相互干渉など、導入環境にも配慮する必要がある。本発表では、主に無線通信技術を中心として新しいネットワーク技術を紹介し、今後の医療情報分野を支えるためのネットワークの将来像について検討する。