国が策定している「全ゲノム解析等実行計画」に基づき、AMED革新的がん医療実用化研究事業において、関連施設から収集された検体を用いた全ゲノム解析と臨床情報の収集及びクラウド上での管理が進められており、将来的には蓄積されたデータを用いた研究・創薬に繋げる構想となっている。多施設からの効率的な臨床情報収集及び統合のため、ベンダー非依存の標準化された構造化診療記録と研究利用を推進しているJASPEHR Projectの仕組みを実施医療機関の病院情報システムに導入し、FHIR Questionnaire/QuestionnaireResponseによるテンプレート画面の構築/該当テンプレートで入力されたデータの出力を標準化している。そして、新しい収集方式に対応できない電子カルテベンダーを使用している医療機関（小規模な医療機関、クリニックなど）等の対応として国内外の医師主導の臨床研究で幅広く利用されている「REDCap」もJASPEHR対応することとした（JASPEHR-REDCap）。REDCapは臨床研究のデータ収集環境をProjectと呼ばれる単位で管理する。Projectを指定してFHIR QuestionnaireのJSONファイル、或いはフォルダ指定によりREDCap画面の自動作成と、該当Projectに入力されたデータのFHIR QuestionnaireResponseでの出力機能を実装した。また併せて、FHIRサーバと連携することでF H I R QuestionnaireResponse、Observation（臨検値など）といったFHIRサーバ内のデータ引用機能（含、項目マッピング設定機能）を開発している。本セッションでは、JASPEHR-REDCapの取り組みについて紹介をしたい。