一般社団法人 日本医療情報学会

[3-G-2-05] 睡眠測定機器の検証と補正方法の検討

*中田 遼平1、脇 真理2、脇 嘉代1、伴 裕貴3、寺尾 工1、鈴木 亮4、大江 和彦1 (1. 東京大学医学部附属病院, 2. 東京医科大学 医学部 医学科, 3. 東京大学大学院 医学系研究科, 4. 東京医科大学病院)

actigraphy validation、calibration、mhealth

【目的】
iAide2 (トーカイ)は、生体情報を測定する腕時計型の医療機器であり、睡眠時間の計測も可能である。しかし、その精度は未検証である。そこで、本研究ではiAide2の睡眠測定精度を検証し、必要に応じて測定結果の補正方法を検討することを目的とした。

【方法】
iAide2とMotion Watch 8 (MW8)を同時に使用し、研究室と関わりがあり、かつ睡眠障害のない6人を対象として睡眠を測定した。評価項目は睡眠持続時間と総睡眠時間であり、一致度は検者間級内相関係数 (ICC, two-way mixed effects, absolute agreement, single-rater)を用いて評価した。その後、回帰分析などの補正を行い、再度ICCによって評価を行った。MW8は睡眠測定に使用される腕時計型端末であり、睡眠測定のゴールドスタンダードとされるPolysomnography (PSG)に対して精度が検証されている。

【結果】
補正前の睡眠持続時間と総睡眠時間のICCはそれぞれ0.69、0.56であったが、補正後にはそれぞれ0.96、0.82まで改善した。

【考察・結論】
補正によってiAide2の睡眠測定精度が大幅に改善された。しかし、PSGとMW8にも測定誤差があること、6人の対象者から複数の測定データを使用した点には注意が必要である。iAide2の睡眠測定精度をより正確に検証・補正するためには、PSGを含む複数の標準的な測定器との比較・検証が必要である。

【倫理的配慮】
本研究はヘルシンキ宣言に則って実施され、東京大学大学院医学系研究科・医学部倫理委員会による審査を受けている。(審査番号:2024137NI)