[3-H-2-01] HL7 FHIRを用いた造影剤照合アプリによる業務効率化の検証
HL7 FHIR, computed tomography(CT), contrast media allergy
【目的】ヨード造影剤の使用は,副作用のリスクがある.副作用歴がある場合,異なる造影剤による副作用軽減効果が報告されている.副作用歴がある被検者に造影剤を投与する場合,副作用が生じた造影剤と投与予定の造影剤が異なることを確認する必要がある.しかし確認には,ダブルチェックが行われており時間と労力を要する.本研究の目的はHL7 FHIRを用いた,造影剤照合アプリによる業務効率化の検証である.【方法】模擬患者50名分の造影剤副作用歴をHL7 FHIR APIに準拠した FRUCtoSに登録した.登録した副作用歴をGETメソッドで取得し,投与可能造影剤と投与予定造影剤を照合するアプリを作成した.アプリでは投与可能造影剤として,当院で使用している 4種類の造影剤から,副作用歴があるものを除いた造影剤を表示した.投与予定造影剤の取得には GS1データバーを用いた.従来法として,アプリに登録した模擬患者と同一の副作用歴をダブルチェックした.アプリ法との比較項目として,照合時間および投与予定造影剤の正答率を用いた.測定は,診療放射線技師2名が50名分の造影剤照合をそれぞれ行った.従来法であるダブルチェックは,当院で採用している2人連続双方向型を用いた.照合時間の比較には,診療放射線技師2名の平均時間を用いた.【結果】照合時間は模擬患者 1名あたり,従来法で16.7秒,アプリ法で13.6秒であった.正答率は,従来法,アプリ法ともに 100%であった.【考察・結論】アプリ使用により,照合時間が短縮した.さらに,正答率は,診療放射線技師 1名でも100%であったため,HL7 FHIRを用いた造影剤照合アプリは,業務効率化に有用である.【倫理的配慮】本研究は,模擬患者を使用し,かつ診療放射線技師ごとの測定結果を比較しないことで,ヒト試料を⽤いた基礎研究および臨床研究・疫学調査に該当しないよう配慮した.
