Japan Association for Medical Informatics

[3-H-2-02] 僻地診療所支援を目指したFHIRリソース駆動型電子カルテシステムHeXEHRSの設計とプロトタイプ開発

*KAZUHIKO OHE OHE1,2, Masahiko Kimura3, Teruyuki Hirayama4, Yukio Konishi4, Ryota Sakurai5, Masakazu Shimomura1,2, Sawa Tomohiro6,2 (1. 東京大学, 2. NeXEHRS, 3. 日本アイ・ビー・エム, 4. ケーアイエス, 5. 国際医療福祉大学, 6. 帝京大学)

EHR, Remote Clinics, FHIR resource, HeXEHRS

目的:僻地診療所の電子カルテには、オンライン診療、AIによる知識支援、巡回診療や訪問看護連携などの機能に加えて、診療所ごとに求められる機能に違いに対応する柔軟性やカスタマイズ性、国の医療DXとの連携のためのFHIR標準対応やオン資ネット接続機能を備え、かつ低コストで運用できるシステムの実現がある。本研究では、こうした要件を実現すべく、新しいフレームワークで稼働する診療所電子カルテHeXEHRSの設計・開発を目的とする。方法: 機能的要件として、WGを設置し、ディスカションを数回行って別途報告予定のとおりコア機能要件をまとめた。また、国の進める標準化に柔軟に対応できる拡張性と医療情報モデルにもとづく記録の管理を実現するとともに、画面展開や画面構成も同一の形式で管理することで情報管理のためのシステム開発管理を効率化する目的で、システムが扱うすべての情報をFHIRリソースモデルで管理するシステムを設計し、これにもとづいてプロトタイプを開発する。結果:すべての診療情報、医療文書、運用に必要なコードマスター、利用者管理などすべてFHIRリソースで記述し、コードはターミノロジーサーバ管理とする設計とした。一方、画面構成、画面上の入力項目の定義もFHIRリソースを変更するだけでシステムの画面構成を変更できる設計を考案した。これにもとづきクラウド環境で稼働するWeb版電子カルテのプロトタイプを開発した。考察・結論:画面構成や画面定義とそれにもとづく挙動をFHIRリソースの変更だけで実現でき、かつ極めて高速に稼働する電子カルテが実現できることが示された。今後ワークフローにもとづく画面展開もすべてFHIRリソースのWorkflow、ActivityDefinitionなどで記述することで、徹底したFHIRモデルにもとづいて駆動する新たな電子カルテシステムを実現する。倫理的配慮:該当しない。