Japan Association for Medical Informatics

[3-H-2-05] PHRにおけるFuzzing×QR®を用いた安全で効率的なデータ転送方法の実現

*AKIO NAKAMURA1, Kouta Hirano1, Kenta Yagi1, Hiroyuki Sato1, Motoko Arai1, Minoru Tashimada1, Kunihiko Shibuya1, Naoto Okazaki1, Hiroshi Akutagawa1, Hokuto Moroboshi2, Mutsuhiro Nakao3 (1. 学校法人昭和大学 総合情報管理センター, 2. 昭和大学 医学部 衛生学公衆衛生学講座, 3. 学校法人昭和大学 ストレスマネジメント研究所)

offline, high security, smartphone, Fuzzing×QR®, low cost

【はじめに】「カルテは患者のものである」という理念の元,患者自ら診療情報を管理するPHRシステム「WAKARTE」を考案した.データ転送に2次元バーコードを利用し,①1対1認証②データ暗号化③データ転送を実現した.【目的】データ転送手段をBluetoothからFuzzing×QR®に変更し,利用方法と実用性について報告する.【方法】①1対1認証:データ転送先のスマートフォン認証において, 2次元バーコード化されたカルテIDを読み込み, 1対1認証する.②データ暗号化:2次元バーコードを第三者に読み取られないよう,データ自体を暗号化し,スマートフォン内で復号化することでセキュリティを高める.③データ転送:オフライン環境でデータを安全に外部と連携するために複数枚の2次元バーコードに分割し,動画として表現(Fuzzing×QR®)し,撮影することでデータ転送を可能とした.
【結果】データを転送するにあたり,2次元バーコードのサイズの最適値を導出するため14通りの組み合わせ(2次元バーコードサイズ×枚数)を実験した.5回測定し,上下を除外した3値の平均値を比較し,効率的に転送する組み合わせを導出した.その結果,転送速度はBluetoothより,約3倍以上であった.一方,実測値は読取誤りにより,理論値よりも30%の速度低下が見られた.また,診療情報(FHIR)を圧縮することにより更なる効率化が図れた.【考察・結論】Fuzzing×QR®を用いてデータを安全安価かつ効率的に転送することができた.今回は,プロファイル,血液検査結果,処方情報,アレルギー情報,心電図等の転送を可能とした.今後,より効率性を高め,対象を3文書6情報等に広げ,様々なシーンにてFuzzing×QR®の活用が期待できる.【倫理的配慮】本研究は,一般に入手可能な情報を用いた研究であるため,特に倫理的配慮を要しない.