[3-H-5-03] 医療情報活用のために医療制度、医療政策の背景と方向性を知る
Healthcare system, Healthcare policy, Big data, Payment system of medical services
医療情報の活用には、いま何を何のために分析すべきなのかの視点が欠かせない。少子高齢化、人口減少、社会保障財源の枯渇が進む中、医療を取り巻く環境は大きく変わってきた。医療機関、医療関連の企業、行政とそれぞれ医療情報活用の視点は異なるだろうが、医療制度、医療政策の背景とこれからの方向性を知ることは、有効な医療情報の活用の基礎として重要である。現在の医療の課題は突然現れたものではなく、過去の医療制度、医療政策の結果の上にあり、その歴史と背景を知ることは今後の見通しを得るうえで必要である。多くの医療は保険診療の中で行われており、2年に一度の診療報酬改定は社会実験の要素もあるが、財源論を含み現在の医療課題を少しでも解決すべく新規導入あるいは要件変更をされている。従って、その時々の改定で、なぜこのような改定が行われたかをしっかりと考えることが知識の拡充の出発点となるだろう。技術的には課題解決のために分析に必要なデータはすべて手元に揃っているわけではなく、今後の見通しを立て、徐々に必要データを得るための仕込みを行うことも必要である。それには長い年月を要し、費用もかかる場合も多いが、費用対効果を考えシステム改修の度に整備していくことが望まれる。公的なオープンデータも拡充しており、その活用も重要である。シンポジウムでは医療情報の活用を目指す人材の育成において、望まれる医療制度、医療政策の背景と方向性の捉え方について論じる。
