本題では、病院データアナリストを院内で養成していくための実践的教育手法について概説する。

病院データアナリストとしては、①医学的知識、②医業経営的知識、③データ処理・分析力、④問題解決力が求められる。これらを統合的に習得していかなければならないが、実践経験の繰り返しでそのスキルセットを獲得していくことになるが、一般にも組織内部的にもこれらの教育プログラムが十分に確立されたものは存在しないと言っても過言ではない。経験の積み重ねによって、独学的に各地で技術を習得しているということが、現実ではあるが、実は、この中でも実践に近い基本のスキルセットや理論は当然、事前学習で経験を補完することはできる。
医業経営データ分析には、Ⅰビジョン・戦略形成を含む俯瞰的なデータ分析、Ⅱ内部データを中心とした教義の問題解決のためのデータ分析と双方オーバラップする点はあるものの2つの切り口がある。
本演題では、それぞれの視点で実践された一定の教育プログラムの型を論考し、ディスカッションに資するものとしたい。