[3-I-1-01] 臨床検査技師養成校における動画を用いた超音波卒後教育
postgraduate education, ultrasound video tool, diagnostic thinking
はじめに】当学では卒後教育に力を注いでおり、就職後に超音波検査に従事した卒業生を対象として、年4回のペースで匿名化した臨床画像の動画を用いて少人数制での超音波教育を行っている。症例は消化器領域の症例提示及び所見ポイントの解説というスタイルで実施している。超音波検査に携わったばかりの技師に、超音波検査で必要な術者の画像診断過程を学べる取り組みを続けてきたので報告する。【方法】教育方法は、事前に配布した匿名化した臨床情報(性別、年代、症状、血液データ)から疑うべき疾患を挙げた後に動画を供覧し、診断名を回答させる。次に再度診断に結び付く所見を含む動画を供覧し、所見データから最終診断名までの予測をさせた後、再度動画を見せながら教員が所見のポイントを解説する形で教育を行った。教育後に受講した目的、受講方法、開催頻度、希望する領域についてアンケート調査を行い教育効果について調査した。【結果】卒後教育に参加した卒業生へのアンケートでは、参加理由として『多くの症例を見たい』が最も多く、次いで『本を読むだけではわからない 』、『職場に超音波の所見や診断思考過程を教えてくれる指導者がいない 』という順であった。勉強会の方法については現状の動画視聴と解説が半数近くを占め、次いでe-Learningと実技指導を希望していた。【考察】超音波検査は、他の生理機能検査に比べ、実施者の経験値の影響が大きい。受講者を対象としたアンケート結果からも、動画の視聴と解説による少人数での勉強会のニーズが高いことが分かった。今後は勉強会の頻度を高め、参加者の増加にも対応できるようにe-Learningを含めた勉強会形式へと発展させていきたいと考える。【結語】動画を用いた超音波卒後教育は、卒業生のニーズにマッチしており、参加者の満足度や学習効果が高い方法であることが示唆された。
