[3-I-2-01] ベッド搬送アシスト装置の利用による運搬者の身体負荷軽減の効果検証
Hospital bed mover, Power-assist system, Health technology
【目的】看護師が患者をベッドで搬送する際、その作業は身体的な負担が大きい。またベッド搬送は通常2名で行い、多くの時間を費やすことになり、本来の看護業務や患者のケアに割く時間が減少することになる。ベッド搬送は手動で行うことが一般的であり、身体的負担、時間的負担につながる。医療従事者1名でもベッド搬送が可能になる搬送アシスト装置「Bed Mover-Magical」が開発された。このアシスト装置を設置することで、ベッド搬送に伴う身体的負担の軽減につながらないか、実証実験を行った。【方法】検証は名古屋大学病院内のICU病棟で行い、対象は医療従事者7名(男性2名、女性5名)とした。ベッド搬送は1名で行い、搬送アシストロボットを設置して検証、その中で3種の条件(アシスト装置なし、アシスト装置あり(アシスト走行モード)、アシスト装置あり(電動走行モード))を用いた。アシスト走行モードとはベッドを押す力を検知して移動を可能にする操作方法で、電動走行モードはボタン操作により力を加えることなく自動で移動(前進・後進)する操作方法である。圧力分布センサー(手部:クレアクト社 Tactilus、足部:Pedar)を装着し、アシスト装置を利用する場合と利用しない場合での手足の身体的負荷を計測、評価した。【結果】アシスト搬送なしで7名14足の足底にかかる最大圧力の平均値は685.9Nであった。アシスト走行モードの足底部の最大圧力の平均は643.5N、電動走行モードは659Nであり、アシスト装置ありの方が足底への荷重負荷は少なかった。【考察・結論】アシスト装置を用いることで足底にかかる圧の軽減につながり、身体的な負担は軽減されることが示唆される。アシスト走行モードか電動走行モード良いかは更に検証を要する。手部への負担結果も合わせた結果も解析中であり、本学会にて報告する。【倫理的配慮】この演題の研究内容方法はヒト資料を用いた基礎研究および臨床研究・疫学調査に該当しない。
