Japan Association for Medical Informatics

[3-I-2-02] 生成AIを活用した病院業務改善の実践と効果

*Chikahiko Sukenaga1 (1. 隠岐広域連合立隠岐病院)

ChatGPT®, Medical Workflow Improvement, DigitalTransformation

【目的】
隠岐広域連合立隠岐病院におけるDX推進における一環として、ChatGPT®を活用して業務効率化および医療の質向上を図るための取り組みを行った。

【方法】
ChatGPT®のTeamプランを病院として正式に契約し、以下の業務に試験的に適用した。1) 医療安全におけるインシデントレポートの解析、2) 退院支援会議における事前資料作成、3) 臨床倫理カンファレンスにおける事前資料作成、4) 術前診察のカルテ記載補助、5) 病院SNS投稿文作成補助。各業務において、具体的な活用方法とその効果を検証した。

【結果】
1)インシデントレポート解析により、医療安全管理者の負担軽減とともに安全対策の迅速な対応が可能となった。2) 退院支援会議の準備時間が短縮され、会議の質も向上した。3) 臨床倫理カンファレンスの事前資料作成が円滑化し、会議の質が向上した。4) 術前診察のカルテ記載補助により、麻酔科医師の負担が軽減された。5) 病院SNS投稿文作成補助により、文章作成にかかる時間短縮が得られ、担当職員の負担軽減とともに継続的なSNS広報活動につながった。

【考察・結論】
ChatGPT®の活用は、業務の効率化と医療の質向上に大きく寄与する可能性を示した。特に、時間の短縮と会議の質向上が顕著であり、今後さらに多くの分野での応用が期待される。今回は試験的な導入であり、活用できている職員は少ないが、病院のDX推進の流れの中で、今後はより多くの職員が利用できる環境を目指していく。

【倫理的配慮】
ChatGPT®のTeamプランを利用することで、扱った内容がモデルの学習に使用されないよう配慮した。また、情報の取り扱いには十分注意を払い、適切に管理を行った。