Japan Association for Medical Informatics

[3-I-4-02] 医療DX時代に求められる教育・人材育成の取り組み

*Kenichi Saito1, Yukiko Mori2, Goshiro Yamamoto2, Satoshi Yamada1,3, Naoki Ishiduka1, Tomohiro Kuroda1,2 (1. 京都大学大学院医学研究科 附属医療DX教育研究センター, 2. 京都大学医学部附属病院, 3. 京都大学法学研究科 附属法政策共同研究センター)

Medical Informatics, Education, e-Learning, Digital Transformation

【目的】医療DXとは、保健・医療・介護の各段階において発生する情報を、保健・医療や介護関係者の業務やシステム、データ保存の外部化・共通化・標準化を図り、国民自身の予防を促進し、より良質な医療やケアを受けられるように、社会や生活の形を変えることと定義されている。医療DXの実現には、情報流の上流である医療現場から、情報の利活用によって社会変容に至る情報流の下流までを支える人材(医療データ人材)が必要であり、人材育成は喫緊の課題である。本発表では、医療データ、および医療DX人材育成における成果と課題について検討を行う。 【方法】京都大学では、2019年度から関西広域13大学・1機関と連携し、関西広域医療データ人材教育拠点形成事業(KUEP-DHI)を実施し、社会人および修士課程の大学院生を対象とした教育プログラムを展開してきた。2023年度からは博士課程の大学院生への教育コンテンツを加え、 医療DX教育研究センターとして、さらなる高度な医療データサイエンス、およびDX教育をうけられる環境を整備している。これまでの成果について設立の経緯やプロセスについて振り返りを行うこととする。 【結果・考察】KUEP-DHIの取り組みを通して学内外に多くの修了生を輩出してきた他、2023年度以降は企業とも連携しつつ医療DXの実装に資する教育を大学院生、及び社会人に提供できた。我々のプログラムの特徴として、従来のデータマネジメントや分析に関する教育だけでなく、情報法制等ELSIに係わる教育に力を入れている点があげられる。また課題解決型の実習を行うことで、現場で活躍できる人材の育成を目指している。医療データ、医療DX人材の育成は国家的課題の一つであり、より実践的な教育が今後も求められることが予想される。 【倫理的配慮】本発表内容は患者及び受講者の個人情報を含まない。