Japan Association for Medical Informatics

[3-I-4-03] ローコードツールを用いた院外組織との連携による事務手続きフロー効率化

*Hitoshi Ariyoshi1, Rena Takahashi1 (1. 東京都立多摩総合医療センター)

low-code, collaboration, workflow, database

【目的】当院では年間400名の看護実習生を受け入れており、学生情報や電子カルテIDなどの機密性の高い情報を院内外で共有する必要がある。従来はこれらの情報をメールでやり取りをしていたが、誤送信による情報漏洩のリスクがあった。また、関係部署ごとにExcelと紙情報を管理していたため、完全性、可用性が低下した状態であった。こうした状況を改善するために、院外関係機関との間で、機密性の高い情報を安全かつ効率的に共有する仕組みを構築した。 【方法】クラウド上にFilemakerサーバを構築し、看護実習生に関する情報のアップロードや参照ができる情報共有のアプリを構築した。また、実習生一覧という一次情報に実習期間、配属先病棟、電子カルテIDなどの二次的な情報を付加して一元管理する機能を搭載した。さらに、院内外のユーザー毎に異なる参照権限を設定することで、不必要な情報へのアクセス制御を図った。 【結果】当該アプリによる実習生の情報を一元的に管理することで、院内の実習生受入れの事務担当者の工数について、アプリ導入前は年間36.7時間かかっていた業務時間が、アプリ導入後は年間12.5時間となり、約66%削減した。また、Excelや紙の運用を完全に廃止することで、情報の完全性を担保することが出来た。さらに、メールでの情報共有を廃止することで個人情報漏洩リスクの低減にも寄与した。 【考察・結論】院外関係機関との間で、機密性の高い情報を共有する業務について、クラウド上に構築したFilemakerアプリを運用することは、可用性を高めることによる事務作業時間の削減と情報の機密性及び完全性の担保に有用である。 【倫理的配慮】本研究は、医療機関情報及び患者の個⼈情報を匿名加⼯することによって、患者が特定されないよう配慮した。