Japan Association for Medical Informatics

[3-I-4-04] 看護専門学校における医療情報学・統計学の講義の在り方

*Kyoko Takano1, Takanori Yamashita1, Takahiro Nakahara2, Naoki Nakashima3 (1. 九州大学病院メディカル・インフォメーションセンター, 2. 独立行政法人国立病院機構 京都医療センター, 3. 九州大学大学院医学研究院医療情報学講座)

Medical informatics, Nursing informatics, Nursing educational institutions, Educational Programs

目的:医療・介護分野におけるICT(情報通信技術」の導入・活用により、医療の質の向上や業務の効率化が期待されており、看護教育における医療情報学の重要性が高まっている。本研究の目的は、看護専門学生1年生を対象に情報リテラシーアンケートを行い、情報学に対する理解度と、専門学校における医療情報学の教育の現状と課題を明らかにし、今後のシラバスの改善に向けた助言を行うことである。その他、過去数年の看護師国家試験や、他校の医療情報学のカリキュラム内容、教育方法、および教員の指導体制を調査・分析し、現行の医療情報教育プログラムの有効性と改善点を検討する。また、医療情報学の重要性とその教育が、看護師国家試験や看護実践に与える影響についても考察する。
方法:看護専門学校1年生から受講前に情報リテラシーアンケートを行った。結果を分析し、学生の情報リテラシーの現状を把握する。各学校のシラバスを比較し、共通点や相違点、教育内容に注目し明らかにする。また、過去数年間の国家試験には医療情報に関連する問題にはどのようなカテゴリが多く含まれているのかを分析する。
結果・考察:情報科学30時間の講義内容に、ワープロや表計算、プレゼンテーションソフトや情報検索などの講義を取り入れている学校も少なくない。今年度のアンケートだけでも、高校までに受けた情報学分野の質問に関しては、76%の学生が、「よくわからないが情報の科目は受講した」と答え、学科単位科目としてではなかったことがわかった。また、情報検索やSNS利用に自信がある学生は70%弱と多いものの、PC構造、セキュリティ、IoT等パソコンに関しての知識に自信がない学生が88%と多く見られた。また、ソフトウェアの使用に関して、表計算ソフトは82.9%、ワープロソフトに関しては70.8%の学生が操作に自信がないと答えている。以上の結果から、講義内容を、看護師国家試験対策、看護実践に役立つものに見直し、学習や業務のツールとして活用する意識を持たせるようにしなければならないと考える。
倫理的配慮:本研究は、2019年10月に独立行政法人国立病院機構嬉野医療センター倫理審委員会を通した上でアンケート調査は匿名で行っている。