一般社団法人 日本医療情報学会

[3-I-5-03] Global Digital Health Monitorにおける日本のデジタルヘルスの評価と課題

*小林 慎治1 (1. 岐阜大学医学部)

Global health, Universal health coverage, Global digital health monitor, Digital health

【目的】日本のデジタルヘルスの成熟度について客観的に評価し、その課題を分析するため。
【方法】WHOとデジタルヘルスに関連するNGOは2016年より7分野19指標をあげて各国のデジタルヘルスの成熟度を客観的に評価し、Global Digital Health Monitor(GDHM)として公開している。GDHMにおける日本の評価を調査し、その課題について分析した。
【結果】GDHMでは日本のデジタルヘルス成熟度は3と評価されていた。7分野で世界水準の平均以上と評価された分野はなく、平均と同程度であると評価されていたものは、Legislation, Policy, & Compliance、Workforce、Standards & Interoperabilityの3分野であった。残りのLeadership & Governance、Strategy & Investment、Infrastructure、Services & Applicationsの4分野は世界水準に満たないと評価されていた。
【考察・結論】Universal Health Coverage(UHC)を達成するためには低中所得国にも効率よく医療資源を分配する必要がある。WHOはUHC達成のために2000年頃よりデジタルヘルスを戦略的に推進してきた。その戦略の有効性を評価するため、GDHMを設定して各国の状況を評価している。
日本の評価が低くなった原因として、デジタルヘルスを担当する省庁が複数あり、統一された戦略がないと指摘されていた。各国の評価をみて、過大評価、過小評価ではないかと思われるところもあるが、遅れているとされる日本のデジタルヘルスの状況を客観的指標で評価しているものの一つではあり、真摯に受け止めて課題の解決にむけて本学会でも取り組んでいくべきであると思われた。
【倫理的配慮】該当する研究ではない。