[3-J-1-01] 介護施設におけるMEWSを用いた呼吸器疾患・循環器疾患・尿路感染の増悪に対する検知について
Medical Informatics, Hospital information system, Early Warning Score , Nursing facility, Vital sign
【目的】高齢者は年々体温が低下し、個体内変動も大きいことから、37.5℃発熱といった絶対値基準では肺炎等の発見が遅れ、重度化する課題がある。従前の肺炎入院予測のAUC比較検証では、相対値基準を用いた独自のMEWS(Modified Early Warning Score)は0.92と。絶対値基準のNEWS(National Early Warning Score)は0.80に対し優位であった。本検証では対象疾患を呼吸器疾患・循環器疾患・尿路感染とし、増悪に対する検知の精度検証を行った。
【方法】介護付有料老人ホーム100室にて、2023年10月から半年間、利用者ごとに1週間以上の平常時の体温・脈拍・血圧の正規分布の平均値±2σを1点、±3σを2点とし、SpO2・呼吸数・意識レベルをNEWSと同設定とし、スコア合計値3点以上を赤、2点を黄、1点以下を緑とするMEWS搭載したICT『安診ネット』を用いて検証した。対象疾患は呼吸器・循環器疾患・尿路感染とし、スコア3点以上で無症状の利用者は血液検査を行い、医師が臨時薬の処方・点滴・注射、及び治療入院と診断した件を増悪とし、検査陽性をスコア3点以上とした。人月法で計算し、1週間以内に繰り返された医療介入は1回と扱った。
【結果】 延べ利用者数:597人のうち、検査陽性は29件、うち増悪は29件(処方:9件、入院20件)偽陽性は0件であった。対象疾患契機の入院の24件(肺炎:13件、尿路感染:7件)のうち、検査陽性は19件で、入院への偽陰性は4件(17.3%)。うち3件はスコア2点と症状で医療対応され、残り1件は脳梗塞(スコア1点)であった。
【考察・結論】 本システムを5年以上運用している施設での本検証では、偽陽性は無く、偽陰性も少なかった。統計的な外れ値の多い他施設では偽陽性50%以上の施設も存在し、良好な検知精度を得るには測定精度の担保が重要と思われる。施設における呼吸器・循環器疾患・尿路感染の増悪の検知に対し、MEWSの有効性が示唆された。
【倫理的配慮】倫理委員会の開催にて、侵襲性のないことから問題が無いことが確認された。
【方法】介護付有料老人ホーム100室にて、2023年10月から半年間、利用者ごとに1週間以上の平常時の体温・脈拍・血圧の正規分布の平均値±2σを1点、±3σを2点とし、SpO2・呼吸数・意識レベルをNEWSと同設定とし、スコア合計値3点以上を赤、2点を黄、1点以下を緑とするMEWS搭載したICT『安診ネット』を用いて検証した。対象疾患は呼吸器・循環器疾患・尿路感染とし、スコア3点以上で無症状の利用者は血液検査を行い、医師が臨時薬の処方・点滴・注射、及び治療入院と診断した件を増悪とし、検査陽性をスコア3点以上とした。人月法で計算し、1週間以内に繰り返された医療介入は1回と扱った。
【結果】 延べ利用者数:597人のうち、検査陽性は29件、うち増悪は29件(処方:9件、入院20件)偽陽性は0件であった。対象疾患契機の入院の24件(肺炎:13件、尿路感染:7件)のうち、検査陽性は19件で、入院への偽陰性は4件(17.3%)。うち3件はスコア2点と症状で医療対応され、残り1件は脳梗塞(スコア1点)であった。
【考察・結論】 本システムを5年以上運用している施設での本検証では、偽陽性は無く、偽陰性も少なかった。統計的な外れ値の多い他施設では偽陽性50%以上の施設も存在し、良好な検知精度を得るには測定精度の担保が重要と思われる。施設における呼吸器・循環器疾患・尿路感染の増悪の検知に対し、MEWSの有効性が示唆された。
【倫理的配慮】倫理委員会の開催にて、侵襲性のないことから問題が無いことが確認された。
