Japan Association for Medical Informatics

[3-J-1-04] 医薬品情報のマッピングと構造化に向けた取り組み
~医薬品インタビューフォームのマッピングと医薬品情報相互運用システム「DI-IS」の開発~

*Daiki Matsumoto1, Rika Okamoto2, Rika Abe3, Masahiko Nakatsui4, Susumu Wakabayashi5 (1. 株式会社CMCエクスメディカ, 2. 神戸医療産業都市推進機構医療イノベーション推進センター, 3. 国立研究開発法人理化学研究所 計算科学研究センター, 4. 山口大学大学院医学系研究科・医学部附属病院 細胞デザイン医科学研究所, 5. 杏林大学医学部付属病院)

Interoperability, Structured Document, Information Mapping, Content Collaboration, XML

【目的】現在、医療用医薬品添付文書(電子添文)、医薬品インタビューフォーム(IF)、医薬品リスク管理計画書(RMP)などの医薬品関連文書は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)のウェブサイト内にある医薬品情報提供ページに掲載され、電子添文以外の多くがPDF形式で入手できるようになっている。しかしPDF形式での医薬品情報は「活用できないデジタル化」とも言われ、相互運用性に欠けている。本研究では、「活用できるデジタル化」、つまりそれぞれの文書間が連携し相互運用できることを目的として、医薬品情報のマッピングと構造化について検討した。

【方法】今回は電子添文とIFを連携させるために、それぞれの文書の作成要領で定められている目次構成のマッピングを行った。IFは、旧版の作成要領に準拠して作られたものが多く存在しているが、それらも考慮に入れてマッピングした。また、電子添文はXML化された構造化文書であるが、IFはPDF形式であり非構造文書であるため、電子添文XMLとIFのPDFデータ内に持つメタ情報、およびマッピング結果をもとに、自動的に電子添文とIFの項目を連携させるシステムの開発を行った。

【結果】PMDAのウェブサイトに公開されているIFのうち141件のマッピングを行った。うち旧版のIFは26件であった。また、電子添文XMLとIFを連携させる医薬品情報相互運用システム「DI-IS」の開発を行った。

【考察・結論】IFをマッピングし、DI-ISを開発したことにより、より相互運用性に優れた医薬品情報になったと考える。今後、IFが構造化文書になることで、より詳細なマッピング、文書間連携ができるようになる。また、RMPなどIF以外の文書も構造化文書になることによって、さらにスピーディーかつ質の高い医薬品情報提供が可能になると考える。

【倫理的配慮】該当しない。