[3-J-2-03] オープンサイエンス推進のためのリポジトリ活用と可能性の検討
Institutional Repository, Open Science, Open Journal, CiNii Research
【目的】第6期科学技術・イノベーション基本計画(令和3年)において,新たな研究システムの構築(オープンサイエンスとデータ駆動型研究等の推進)では,信頼性のある研究データの適切な管理・利活用促進のための環境整備が求められている.また,学術論文等の即時オープンアクセスの実現に向けた基本方針(令和6年統合イノベーション戦略推進会議決定)では,機関リポジトリ等の情報基盤への掲載を行い、学術統合検索基盤CiNii Research(国立情報学研究所)上で学術論文及び根拠データのメタデータが検索可能になることを目指している.この研究では、ある国立試験研究機関において、学術論文等の即時オープンアクセスを目指し取り組んで来た状況を報告する。
【方法】ある国立研究機関における取組を概説する。
【結果】機関リポジトリの公開を令和3年7月に開始し、公開業績メタデータは3,762件(令和6年6月)に達している。業績集(年報)のPDF公開は、翌年度となる為、リポジトリでの早期研究成果公開が課題となっていた。そこで、研究者個人が公開するresearchmapからの情報抽出を試みた。但し、常勤研究者74名中64名の、researchmapにおいて、3箇月以内に情報更新している者が35/64名(54.7%)であった為、researchmapからの情報抽出を断念した。その後、年報発刊を待たず、Ovid-MEDLINE、及び、医中誌WebのAutoAlert機能を利用し、研究成果公表と同時にリポジトリへの収載を開始した。また、リポジトリでの情報公開が被引用数増加に有意に寄与していることを確認した。その後、文部科学研究成果の即時オープンアクセス(OA)化を想定し、ゴールドOAに限らず、グリーンOA論文の著者最終稿収載に向けて、出版論文の著作権等の確認作業を行った。令和3年度以降の有料出版論文60件中53件にて、著者最終稿のリポジトリでの公開が可能であった。49件については、エンバーゴ期間(6箇月2件、12箇月45件、24箇月2件)が設けられていた。
【考察・結論】即時OAを目指す際に著者最終稿の公開では出版社のルールに留意して、著者との連携を進めていく必要がある。
【倫理的配慮】該当しない
【方法】ある国立研究機関における取組を概説する。
【結果】機関リポジトリの公開を令和3年7月に開始し、公開業績メタデータは3,762件(令和6年6月)に達している。業績集(年報)のPDF公開は、翌年度となる為、リポジトリでの早期研究成果公開が課題となっていた。そこで、研究者個人が公開するresearchmapからの情報抽出を試みた。但し、常勤研究者74名中64名の、researchmapにおいて、3箇月以内に情報更新している者が35/64名(54.7%)であった為、researchmapからの情報抽出を断念した。その後、年報発刊を待たず、Ovid-MEDLINE、及び、医中誌WebのAutoAlert機能を利用し、研究成果公表と同時にリポジトリへの収載を開始した。また、リポジトリでの情報公開が被引用数増加に有意に寄与していることを確認した。その後、文部科学研究成果の即時オープンアクセス(OA)化を想定し、ゴールドOAに限らず、グリーンOA論文の著者最終稿収載に向けて、出版論文の著作権等の確認作業を行った。令和3年度以降の有料出版論文60件中53件にて、著者最終稿のリポジトリでの公開が可能であった。49件については、エンバーゴ期間(6箇月2件、12箇月45件、24箇月2件)が設けられていた。
【考察・結論】即時OAを目指す際に著者最終稿の公開では出版社のルールに留意して、著者との連携を進めていく必要がある。
【倫理的配慮】該当しない
