一般社団法人 日本医療情報学会

[3-J-4-02] 入院前支援部門におけるタブレット問診システム導入の効果と課題

*瀬戸 克予1、木村 しのぶ1、松前 有香1、福田 直也1、十河 智昭1、三上 史哲1 (1. 香川大学医学部附属病院)

Tablet Questionnaire System, Pre-hospital support, Reduced burden

目的】タブレット問診システム導入の効果と課題を明らかにする。
方法】成人用タブレット問診システム導入スケジュール
 2023年4~5月システム要求仕様書作成、2023年6~8月入札~開札、2023年9~12月システム導入作業、2024年1月システム試行運用開始、2024年1~3月問題点洗い出しとシステム改修、2024年3月末一部患者で運用開始。
結果】患者がタブレット問診入力後、看護師が電子カルテ問診専用テンプレートに結果を連携すると、テンプレート内の情報集約や確認、追加入力が可能になった。また、テンプレート内容は患者プロファイルや看護アセスメントシートに連携可能となった。2023年度入院前支援部門の患者対応件数は6120件、2024年3月末からタブレット問診を一部患者で運用開始して約2ヶ月経過し、タブレット問診対応件数は321件だった。タブレット問診の電子カルテ入力時間は紙問診より平均10分程度短縮した。翌日以降に入力する問診票数に変化はなかった。
考察・結論】タブレット問診結果は専用テンプレ-トに連携するため、一から内容を手入力する必要がなく入力負担軽減に繋がった。また、テンプレートは患者プロファイルと看護アセスメントシートに連携可能で、テンプレートに項目を集約し、ある程度テンプレートで入力を完結できるようにした。一部問診項目は患者プロファイルと看護アセスメントシートに類似する項目が存在し二重入力の必要があった。そこで、当システム導入を機に入力項目を統一して連動させ二重入力を解消できた。現在は紙からタブレット問診への移行期で2つの問診票が混在している。タブレット問診導入後2ヶ月時点では、翌日以降に入力する問診票数に変化はないが、今後は全患者に対しタブレット問診を行う予定でその推移は確認予定である。今後は、小児用や正常妊産婦用問診票作成、クラウド問診、音声入力の運用も検討している。
倫理的配慮】香川大学医学部附属病院 看護部事前検討委員会の承認を得た。