Japan Association for Medical Informatics

[3-J-4-04] 錠剤一包化鑑査支援システムの剤型の違いによる画像認識の認識率の評価

*Kentaro Mori1,2, Hiroyasu Sato3, Tomohiro Maekawa1, Hiroki Koga1, Ryohkan Funakoshi1,4 (1. 医療法人鉄蕉会 亀田総合病院 薬剤部, 2. 医療法人鉄蕉会 亀田クリニック 薬剤室, 3. JA北海道厚生連 網走厚生病院 薬剤科, 4. 医療法人鉄蕉会 医療管理本部 薬剤管理部)

Drug Information, Single dose package, image recognition

【目的】
当院では錠剤一包化鑑査支援システム(MDM ®(株)トーショー 以下MDM ®)を導入し、当院で処方された全ての一包化指示が出された処方については、MDM ®を使用して画像認識での鑑査業務を行っている。鑑査業務を行う中で特定の薬剤で画像認識のエラー率が高い薬剤があったことから、その原因が医薬品添付文書に記載されている製剤の性状の項目もしくは一包化された処方の錠剤数のいずれかに関連しているかどうかの調査を行った。
【方法】
MDM ®から取り出した薬品毎の読み取りエラーのログデータを用いて、添付文書上に記載されている製剤の性状の項目毎(剤型、刻印の有無、直径、厚さ、重量、色、割線の有無、短径の有無)と1処方中の錠剤数でエラー率に差があるのかどうかを調査した。エラーの対象としてはMDM ®で画像認識した際に起きた全ての種類のエラーを対象とした。対象薬剤はエラー率が高い群(エラー率上位50品目)とエラー率が低い群(エラー率が0%の全ての品目)を対象とした。
【結果】
直径、厚さ、重量の中央値に大きな差は見られなかった。また、刻印の有無、割線の有無、短径の有無について差は見られなかった。剤形については、カプセル剤ではエラーが見られなかった。色については白色の薬剤でエラー率が高い傾向にあった。また、1処方中の錠剤数が多いほどエラー率が高くなる傾向にあることが判明した。
【考察・結論】今回の結果から直径、厚さ、重量は画像認識のエラー率には関連性が低いことが推察される。色については、白色の薬剤の割合が全体に対して多くを占めており、似たような大きさの薬剤で誤認識しているケースが見られたことから、有色の薬剤に比べてエラー率が高くなっていると思われる。
【倫理的配慮】
人を用いたデータでは無いため、倫理的配慮は不要。