一般社団法人 日本医療情報学会

[3-J-5-01] ジグソー学習法が基礎看護技術演習のeラーニング教材アクセス状況に与える影響

*高島 真美1、新屋 智子1、石垣 恭子2 (1. 関西医科大学看護学部, 2. 兵庫県立大学看護学部)

Basic Nursing Skills Exercises, Jigsaw Learning Methods, e-Learning

【目的】本研究の目的は、基礎看護技術演習にジグソー学習法を取り入れることで生じる学生の役割分担(教師役と生徒役)と、ルール(授業日までに事前学習する)が、eラーニング教材アクセス状況に与える影響を明らかにすることである。【方法】対象者は、2022年度に開講された「生活者援助論」(全10回、30コマ)を履修した看護学部1年次生102名とし、学生個人のeラーニングアクセスログをダウンロードした。分析方法は、アクセス回数の日別推移の集計と、学生個人の学習課題毎のアクセス回数を算出し、教師役の学習課題と生徒役の学習課題の差を対応のあるt検定を用いて検証した。さらに、学習課題毎のアクセス回数を予習期間、演習当日、復習期間の3つの時期に分けて比較した。【結果】演習期間中(79日間)の総アクセス回数は35,791回であり、アクセス回数のピークは演習前日、アクセス人数のピークは演習当日であった。学習課題毎のアクセス回数の平均(標準偏差)は、教師役は17.2(6.6)回、生徒役は9.2(2.6)回であり有意差が認められた(p<0.01)。予習期間のアクセス回数は教師役9.6(3.9)回、生徒役7.3(1.6回)、演習当日は教師役6.5(3.7)回、生徒役1.5(0.5)回、復習期間は教師役0.9(1.1)、生徒役0.8(1.1)回であった。【考察・結論】ジグソー学習法の特徴の一つに、学習グループ内の教師役として担当の学習課題を教える活動が組み込まれていることがある。教える活動のために教師役を担う学習課題のアクセス回数が多くなっており、また、授業前日までに教師役生徒役それぞれの準備をするというルールにより、予習期間のアクセス回数が多くなっていたと考える。【倫理的配慮】本研究は、関西医科大学医学倫理審査委員会の承認を得て実施し、分析の際は個人が特定できないよう匿名化して統計処理を行った。