一般社団法人 日本医療情報学会

[3-J-5-04] 社会人向け医療情報教育プログラムと受講者傾向

*朝田 委津子1、宮村 信輝1、岡 悦子1、白鳥 義宗1 (1. 名古屋大学医学部附属病院)

Medical Informatics Education, Re-skilling program, Recurrent program

【背景】本邦初の社会人向け医療情報教育の場として、2024年4月から名古屋大学医学部に名古屋医療情報学プログラム(以下、NCIP)が開設された。このプログラムは医療情報について多角的かつ総合的に学ぶ場を、医療に関連する職に従事している社会人に提供するもので、文部科学省の履修証明制度に基づいたリカレント/リスキリングプログラムである。本プログラムは、当初の開講予定を1年繰り上げ、2024年度からの開講となったことで、募集期間及び周知期間が約2カ月と短かったにもかかわらず、さまざまな背景を持った約60名が受講している。【目的】今年度のNCIP受講者の背景情報から、医療関連の職に従事する者のうち医療情報教育を望む層を分析する。【方法】今年度の受講者へのアンケートから分析する。その結果を医療情報技師資格保有者層と照らし合わせ、その差異を調査する。【結果】企業一括申込(リスキリング教育)が4社(40名)、個人申込(リカレント教育)が18名だった。個人の所属内訳は、企業6名、保健医療福祉施設4名、行政機関1名、その他6名であった。保有資格は、医療系5名、情報系6名(うち医療情報技師3名)、その他1名だった。企業一括参加者の保有資格については現在調査中である。【考察】もともと企業人をターゲットとしていたため、企業所属者が多いが、個人参加者の傾向を見ると、企業所属者と保健医療福祉施設所属者の割合がほぼ3:2となっており、この傾向は医療情報技師の取得者の傾向と一致していた。今後は、講義終了後のアンケートを通じて、これらの層がどのような内容の講義を求めているのか、および企業は何を研修させたいのかを分析する予定である。【倫理的配慮】 本研究で使用したデータは、その利用について収集目的、方法、及び、個人情報の保護について、文書で説明を行い、オプトアウト方法について通知を行った。