一般社団法人 日本医療情報学会

[4-C-2] 連合分析/連合学習の推進と課題

*平松 達雄1、浅尾 啓子5、松本 繁巳2、望月 伸夫3、井上 真吾4 (1. 国際医療福祉大学、2. 京都大学大学院医学研究科、3. TOPPANホールディングス株式会社、4. 株式会社Yuimedi、5. 株式会社カッパ・メディカル)

Federated Analysis, Common Data Model, Real World Data

複数拠点でのデータ分析において、データを持ち寄らずに分散させたままで進めるスタイルの分析活動は以前からいくつかの手段で実施されていたが、AIブームと共にAIモデルを分散して構築する連合学習(Federated Learning)という領域が出現したことに呼応して連合分析(Federated Analysis)と呼ばれるようになり、一層推進されるようになってきている。連合分析あるいは連合学習を行うためには、複数の拠点で同一のモデルを適用するため、各拠点が同じ形式でそれぞれのデータを用意することになる。Real World Dataの共通データ形式であるOMOP CDMは、データ構造だけでなく用語コードも国際的に共通化することで連合分析に適した特性を持っており、世界的に活発に連合分析が実施されている。
 一方、連合分析/連合学習を発展させるための課題も存在する。共通データ形式のデータベースはそれぞれに構築され、構築の背景もそれぞれであることから、特定のプロジェクトで全体をまかなうことができない。複数のプロジェクトが協力して連合分析ネットワークを形成維持していくことになる。分断化を避け協力する方法や仕組、個別プロジェクトの負担を減らす方法等を推進していく必要がある。
 本ワークショップでは連合分析関連の活動についてOMOP CDMを共通キーとしながら各演者が発表し、その推進の内容と課題について議論する。①背景情報として海外OHDSIコミュニティでの連合分析例、②CyberOncologyにおける連合分析への取組、③次世代医療基盤法データにおける連合分析の可能性、④医薬品臨床研究における病院企業連携した連合分析、⑤OHDSI Study-a-thon活動や国際的な健診データ連合分析、を各々のテーマとする。